ダイスカの無念晴らしたモンテ/ダイヤモンドS
2009年2月16日 06:00 東京競馬場の長距離重賞「第59回ダイヤモンドS」はモンテクリスエス(牡4=松田国)がレコードタイムで重賞初勝利を飾った。
【レース結果
GIパネル
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長距離戦では珍しい乱ペースを制し、モンテクリスエスが初タイトルを獲得した。サケダイスキがハナを奪い、途中からフローテーションが競りかける展開。序盤の1200メートルで1F11秒台のハイラップが4度刻まれた。2周目の3角で2頭のペースが落ちると、直後の集団が一気に仕掛けたが、中団より後ろに構えていたクリスエスの北村宏は、追い出すタイミングをあえて遅らせた。
「スタートで少し立ち遅れたが、その後の加速はスムーズ。折り合っていたので、じっくり差を詰めていった。ずっと手応えがあったので、早めに抜け出さないように注意した。他馬が一斉に動いた時をやりすごせたのがよかった」。鞍上の冷静な判断が直線の爆発力を引き出した。あっと言う間に馬群をのみ込み、従来のタイムを0秒9縮めるレコードV。昨年骨折し、左腕に埋め込まれていたプレートを除去するため、3週間休養していた北村宏は復帰週にうれしい重賞制覇。「いいタイミングでいい馬に乗せてもらった」と笑顔で振り返った。
松田国師にとってもダイワスカーレットの無念を和らげる勝利となった。「(父の)シンボリクリスエスが古馬になり、だんだんと力をつけていったように、昨夏を境に実が入ってきた。きょうの内容なら天皇賞(春)につながると思う」と新たなスター候補の誕生を喜んだ。
3カ月後に待ち受ける春の盾は、まさに群雄割拠。乱戦で勝ち名乗りを上げたクリスエスにも、長距離界統一の資格は十分ある。
◆モンテクリスエス 父シンボリクリスエス 母ケイウーマン(母の父ラストタイクーン)牡4歳 栗東・松田国厩舎所属 馬主・毛利喜昭氏 生産者・北海道沙流郡門別町下河辺牧場 通算成績15戦4勝 総獲得賞金1億1521万5000円。