アンライバルド不敵「ウチのが一番」/皐月賞
2009年4月16日 06:00 皐月賞の最終追い切り。アンライバルドはCWコースの併せ馬でパートナーを5馬身突き放した。ダービー馬の兄フサイチコンコルドに続くクラシック制覇へ、陣営の自信も最高潮だ。皐月賞の枠順は16日に確定、馬券は17日から前売りされる。
まばたきする間すらない。それほどまでにアンライバルドの反応は鋭かった。CWコースでストラディヴァリオ(6歳1600万)との併せ馬。2馬身ほど後方から追走。内をついて4角手前で追いついたと思った瞬間、もう体勢は入れ替わっていた。あっという間に抜け出すと相手ははるか後方。それもそのはずで6F79秒2~ラスト1F12秒7の猛時計。圧巻の5馬身先着だ。
友道師は余裕の表情で切り出した。「前の馬をとらえにかかった時に見せた一瞬の動き。あれを見て大丈夫だと思った。前走後も非常に落ち着いている。最高の出来で皐月賞に出走できると思います」。デビュー前からクラシックを見据え、帝王学を教え込んできた。これも超良血馬だからこそ。中でも最大のテーマは“落ち着き”だった。以前から師はこう口にしていた。「この馬の場合は自分との闘い。持てる力を出せば結果はついてくる」
前走・スプリングSでは初の長距離輸送を経験。大きな不安を抱えながら、いざふたを開けてみれば力の違いを見せつけた。これで自信は確信に変わりつつある。「過去4戦の中では1番落ち着いて競馬を迎えられた。レースも岩田騎手がうまく乗って、すぐに折り合いがついていた。今回も行けるんじゃないかと思っています」
3強対決。ライバルとの力関係を問われても、友道師の気持ちに揺るぎはない。「これまでのレースぶりを見れば、ウチのが1番競馬をしやすいと思う」。前々で運ぶタイプのロジユニヴァースとリーチザクラウンに対して、脚質面での利を感じている。そして「スプリングSを勝って皐月賞のローテーションはお父さん(ネオユニヴァース)と一緒。成績も一緒になるように頑張ります」
1番人気の座を争う関東馬ロジユニヴァースも、父は同じネオユニヴァース。これも強い対抗意識の表れだ。ライバルを倒してこそのアンライバルド。まずは1冠を制してその名の通り、匹敵するもののない境地を目指す。