ロジが誇示!マジ凄い3馬身先着/皐月賞

2009年4月16日 06:00

ノーフォークパイン(右・1650番)と併せ追い切るロジユニヴァース(手前・24番)

 無敗Vへ王手だ。競馬の牡馬クラシック第1弾「第69回皐月賞」の追い切りが15日、美浦、栗東両トレセンで行われた。前哨戦・弥生賞を快勝し、デビューから無傷の4連勝で挑むロジユニヴァース(牡=萩原)は主戦・横山典弘騎手(41)を背に圧巻の動き。04年皐月賞のダイワメジャー以来、牡馬クラシック14連敗中の関東馬の救世主となれるか。

 関東の期待を背負うにふさわしい、威厳と迫力に満ちていた。横山典を背に馬場整備明け直後のWコースに姿を現したロジユニヴァース。鹿毛の馬体は雨上がりの朝日に輝き、トモ(後肢)は滑らかな光沢を放つ。
 ノーフォークパイン(5歳500万)を2馬身先行させてスタート。12秒台前半のラップで飛ばす僚馬を、独特の大きなフットワークで苦もなく追走する。4コーナーでは外へ。残り200メートルを切り、横山典がゴーサインを送ると、パートナーが止まって見えるほどの伸びで後方へと蹴散らした。圧巻の3馬身先着。5F(1000メートル)64秒6~12秒9。前夜の豪雨でたっぷり水分を含んだコースで、楽にこの時計をマークできるのは、美浦ではこの馬くらいだ。
 自信がみなぎる。会見で横山典は終始笑顔だった。「いい動きだった。直線では手応えをみて好きにしていいと言われていたが、気分良く走らせることができた」
 4連勝を決めた弥生賞。余裕たっぷりに見えたが、実は主戦がヒヤリとした場面があった。本馬場入場直前に鞍を直したため、馬場入りが最後になった。歓声を1頭でモロに浴びる形となりテンションが上がりそうになった。さらにタイミング悪くターフビジョンでは他場のレースを放映中。実況が馬の耳元でこだました。「これはまずい、と思ったよ。でも大丈夫だった」。レースは逃げて完勝。人馬の信頼感はさらに強固となった。
 決して早熟ではない。順調な成長が横山典の自信の源となっている。「僕の言うことをだんだんと覚えて、いい馬になっている。マッチョな体つきから、クラシックシーズンに合わせるように変わっていったのもいいね」。変化は早過ぎても遅過ぎてもいけない。横山典が理想とするタイミングで進化を続ける。
 「プレッシャーはある。だが、いい意味での重圧。不安はゼロではないが、それをはねのけるだけの能力をこの馬は持っている。不安より期待だよ。自信を持って乗りたい。一緒に走って気持ちいい馬なんだ。最高だよ」と笑った横山典。鍵となる位置取りを聞かれ「2周目のゴールで1番になる。それが最高の戦法」と答えた。どんな乗り方でも最後は勝つ。名手の自信がにじみ出ていた。

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