セイウンワンダー迫力の12秒2/皐月賞

2009年4月16日 06:00

さつき賞追い切り CWコースでハードに追われたセイウンワンダー

 2歳王者セイウンワンダーが力強い動き。太めの弥生賞は8着に終わったが、馬体を絞り巻き返す。

 向正面からCWコースへ入ったセイウンワンダー。手綱を抑えたままスタンド前を通過すると、いつも通り2周目から追い切りがスタートした。
 グンと加速しそうなところを服部助手がうまく制御し、7Fから滑らかにペースアップしていく。スムーズなコーナリングで直線に向くとエンジン全開。迫力満点のフットワークでゴールを駆け抜けた。大外を回って6F78秒9~1F12秒2の好時計。服部助手は「抜群の動き。以前と比べると口向きが良くなって、乗り手の思うように走らせられる。普段の角馬場での乗り込みを増やしたことで身のこなしに柔らかみが出てきたし、今は手前をうまく替えられるようになってきた」と評価する。
 昨年の朝日杯FSを制した2歳王者が挑戦者として3冠初戦に臨む。久々の前走・弥生賞は12キロ増(526キロ)の重め残りで8着。あの敗戦で今回のテーマがはっきりした。研ぎ澄まされた馬体に領家師の狙いが見て取れる。「前走で大幅に体が増えていたのは誤算だった。馬の名誉を傷つけてしまった。本当に馬に悪いことをしたな。前走後はだいぶ攻めているし、けさの追い切りもうまくいった。馬体はきっちり絞れているよ。510キロくらいで出せるんじゃないかな」
 しっかりカイバを食べた上で、なおかつ体を絞り込んでいく。反撃のシーンを信じ、密度の濃い調教を重ねてきたのだ。あらためて領家師が意気込みを語った。「距離は2000メートルでも大丈夫。体調さえ整えば必ずいい結果を出せると思うし、仕上がりに関して不安はないよ」。思えば朝日杯FSも中間に左前蹄球炎で東京スポーツ杯2歳Sを回避する誤算が生じていた。逆境を乗り越え再び頂点へ。G1V2のシナリオはできている。

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2009年4月16日のニュース