【宝塚記念】父ディープ圧勝の舞台で悲願 

2024年6月21日 10:00

 18年ぶりの京都開催。天気も18年前と同じ雨予報。その06年は勝ち馬ディープインパクトは別格として、印象に残っているのは2着ナリタセンチュリー。10番人気で激走した伏兵は、メンバー屈指の京都&道悪巧者だった。今年もそんな馬がいる。◎プラダリアだ。

 京都は2戦2勝。京都大賞典、京都記念とG22勝の実績はナリタセンチュリーと同じ。強敵相手の2勝は価値が高い。◎は通算16戦で上がり最速(ラスト600メートル)をマークしたのは3回。良馬場に限れば1回のみ。切れる脚はない。だが、長くいい脚が使える。京都名物“3角の下り坂”で勢いをつけ、平たんな直線で加速を持続。そんな戦法にコース形態が合っている。

 時計の速い決着も不向き。もし晴天予報なら厳しかった。雨は歓迎。重馬場は2戦2勝。元々切れない分、道悪でも末脚が鈍らない。ライバルの切れ味が半減する馬場ならアドバンテージは大きい。

 鞍上は池添。有馬記念4勝と合わせ春秋グランプリ7勝を誇る。しかも宝塚では何度も人気薄を激走させ、高配当の使者になった。プラダリアは前走、2000メートルの大阪杯で6着。鞍上はレース後「もう少し距離があった方がいい」と語った。枠も真ん中の7番。恐らく先行するベラジオオペラ、ディープボンドを内に見ながら好位で運ぶには絶好枠と言える。距離延長、京都替わり、雨馬場、そして好枠と反撃の条件は整った。

 18年前、ライバルを圧倒したディープインパクトの息子。再び迎える雨の淀グランプリに、かつての父ほどの絶対的な存在は見当たらない。6度目のG1挑戦。天も味方に悲願達成だ。(浜田 公人)

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