【神戸新聞杯】サミット、実戦で変身 一度の実戦で実りの秋へ
2018年9月20日 05:30 【東西ドキュメント・美浦=19日】下手な稽古よりも一度の実戦という。調教を何度積んだところでレースを使った馬にはかなわない。一回の競馬はそれほど馬の心身に大きな効果をもたらすという藤沢和師の格言。自身の調教を「下手」と謙遜するのは人柄。坂路下の運動馬場でゴーフォザサミット(神戸新聞杯)を見据えながら同師はその言葉を口にした。視線の先では張りのある黒鹿毛がしなやかに四肢を伸ばしている。
「いいねえ!札幌記念を使っている分、調整も楽。ダービー(7着)だって不利がありながらいくらも負けていない」。ダービーは1角で他馬に寄られて中団に下がる不利。「競馬だから仕方ないが、あれは痛かった。長い距離はゆったり走れるからいいんじゃない」と梅崎に語ると、表情を緩めて続けた。「ところでマサヨシ(蛯名)は今日(19日)調教師試験(1次試験)だって?競馬も受験も頑張れ!!応援してるぞ」
今年初旬、同師は山本英俊オーナーにこんな報告をしている。「ゴーフォザサミットはおっとりしているし、まだ緩くて無理できない。良くなるのは秋」。蛯名を背に、下手な稽古よりも一度の実戦を経て迎える実りの秋競馬だ。