【スプリンターズS】赤ファルクス、代打戸崎とV3へ息ピタリ
2018年9月27日 05:30 追い切り前に抱いていた一抹の不安は、初コンタクトの瞬間に吹き飛んだ。レッドファルクスの最終追い後。主戦のM・デムーロの騎乗停止で急きょ新コンビを組むことになった戸崎が、目を輝かせながら口を開いた。
「またがった瞬間から“やっぱりいい馬だな、G1馬だな”と感じた。言葉で説明するのは難しいが、圧倒されるような雰囲気がある。先週の追い切り映像を見て“大丈夫かな…”と思ったけど、今日は素晴らしい動き。いいイメージを持ってレースに臨める」
名手を感嘆させた最終追いは、Wコースで僚馬トップライセンス(5歳1000万)と併せ馬。2馬身追走から直線で内に進路を取り、最後は強めに追われて1馬身先着した。同じパートナーを相手に、いっぱいに追われながらモタモタして半馬身遅れた20日の1週前追いとはガラリ一変。見守った尾関師も「先週ビシッとやれた分もあり、反応も動きも良くなった」と笑顔で合格点を付けた。
史上初となる3連覇が懸かる一戦だが、7歳を迎えた今春は高松宮記念で1番人気に推されながらも8着。続く安田記念も9着と精彩を欠く走りだったため、陣営は夏休みを早めに切り上げて美浦でじっくりと乗り込む“攻めの調教”を課してきた。2週前にはM・デムーロが乗ってゲート練習も敢行。尾関師は「年齢的なズブさも感じるので早め早めに調整してきた。着実に状態はアップしている」と、納得の仕上げを強調する。
過去2年でVに導いたM・デムーロの騎乗停止は「2連覇の大事なピースだった」と誤算を認めつつも「関東No・1、それもファルクスが連覇する前のスプリンターズS(15年ストレイトガール)を勝っているジョッキーが空いていたのは不幸中の幸い」と指揮官は前向きだ。
手綱を託された戸崎も「大きなチャンス。またがれるのはうれしいけど、うれしいだけでなく結果も出さないと。勝ちたい」と気合十分。人馬を合わせれば4連覇へ、陣営一丸となって偉業に挑む。