【スプリンターズS】角田師、アレスでW制覇 勢いに乗り挑戦

2018年9月28日 05:30

<スプリンターズS>アレスバローズで調教師でもスプリンターズSで勝利を狙う角田調教師(撮影・平嶋理子)  

 スプリンターズSで快挙に挑むのがアレスバローズを管理する角田晃一師(47)だ。

 ジョッキー目線の視点は忘れていない。角田師はスプリンターズSがG1に昇格した90年以降、初となる騎手&調教師でのダブル制覇が懸かる。アレスバローズは、サマースプリントシリーズを連勝してG1に初挑戦。指揮官は期待馬の成長を感じている。

 「以前はイレ込んだりしたが、今はレース当日までに落ち着くようになっている。能力を出せれば、いいパフォーマンスを見せられると思っていた。ようやくですね」

 牧場時代から期待されたディープインパクト産駒だが、激しい気性が出世の妨げになっていた。昨年暮れにオープン入りを決め、ここ2走の重賞は中団で流れに乗り、鮮やかな差し切りV。中でも、指揮官の理想は2走前のCBC賞のように外から伸びた勝ち方だ。

 「北九州記念は内から狭い所を割ってきたが、前が壁になるリスクもある。中山だと、内から伸びる印象もないからね。CBC賞のように、常に進路を確保をした方がいいかな」

 大一番の枠順が決まる前から、指揮官はレースへのイメージを膨らませる。「中山はトリッキーだし枠順や展開にも左右されるが、この馬は重賞の方がペースが速くなって乗りやすい。G1でも時計は持っているからね」と期待を寄せる。

 95年のスプリンターズS。当時25歳だった角田師は、560キロの巨漢馬ヒシアケボノとのコンビで豪快な差し切りV。外々を早めに追い上げ、堂々と1番人気に応えた。「あんな感じで乗ったら、ええんちゃうかな」。あれから約23年。外から鋭く伸びてくるアレスバローズの姿を思い描いている。(寺下 厚司)

 ◆角田 晃一(つのだ・こういち)1970年(昭45)11月18日生まれ、鳥取県出身の47歳。平成元年に騎手免許を取得、フジキセキの朝日杯3歳S、ジャングルポケットのダービーなどG110勝を含む713勝(8322戦)を挙げた。2010年2月の引退後は、調教師に転向。トレーナーとしてJRAで169勝(重賞7勝)をマーク。スプリンターズSは騎手時代に95年ヒシアケボノで優勝、調教師としてはベルカントで14〜16年に3年連続挑戦し、5着が最高。

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