【ヴィクトリアM】ラヴズ覇権奪取へ!アーモンド包囲網“大将格”矢作師「動きに問題なかった」

2020年5月15日 05:30

坂井瑠星騎手を背に坂路で単走で追い切るラヴズオンリーユー

 春の古馬女王決定戦「第15回ヴィクトリアマイル」(17日、東京)の出走馬が14日に確定。ディープインパクト産駒が“アーモンドアイ包囲網”とばかりに9頭そろった。その1頭のラヴズオンリーユーは坂路で木曜追いを行い、急上昇をアピール。アーモンドとのオークス馬対決を制し、新女王の座に就くか注目される。同レースは15日に枠順が決定。同午後6時半からインターネットのみで前売りされる。

 もう強い負荷はいらない。矢作師はそう判断した。ラヴズオンリーユーはサッと坂路で単走追い。4F54秒8~1F12秒4と軽快な脚取りで駆け上がった。上がり重点で全体時計は速くなかったものの、師は「実質的な追い切りは日曜(10日)で、今日は息を整える程度。動きに問題はなかった」と満足げに話した。

 アーモンドアイとの注目の初対決。“条件”は五分だ。アーモンド同様、当初予定していたドバイシーマクラシックは現地到着後に新型コロナウイルスの影響で中止。師は「長時間の飛行機に輸送。一度、仕上げた後に緩めたり。その辺の難しさはあった」と振り返るが、少ない時間の中で全力を尽くした。

 当初は6日の1週前追いが実質的な最終追いの予定だったが、「指示より少し序盤が遅かったので、日曜に変更した」。思い切りのいい判断が見事に的中した。10日は長めをビッシリ追われ、6F79秒3~1F11秒8の好時計。「日に日に調子が上がっていることは間違いない」と胸を張る。

 今年のヴィクトリアMにはディープインパクト産駒が9頭も出走。ロードカナロア産駒のアーモンドに対する“包囲網”の様相を呈しているが、その大将格がこの馬だ。デビューから4戦連続で上がり3F最速をマークした剛脚は父譲り。鞍上のM・デムーロも「スピード、瞬発力を持っています」とその能力に目を細める。

 「過去5戦しているけど、オークスだけ好調だった。そのオークスと比べて出来は85%ぐらい」と師。満点こそつけなかったが、その口ぶりは妙に自信ありげだ。16年ドバイターフ(リアルスティール)、19年コックスプレート(リスグラシュー)で海外G12勝など常にチャレンジ精神を貫いてきた矢作師。壁が厚いほど、相手が強いほど燃える。アーモンドとの初対決にも「強いです。日曜までにしっかり整えて、互角に戦えるようにしたい」と闘志をかき立てた。残された時間で85%が100%になれば…。史上5頭目となるキャリア5戦での古馬G1制覇=新女王就任も夢ではない。

 【15年天皇賞・秋に並ぶ最多タイ頭数】フルゲート18頭にディープインパクト産駒が9頭と半数を占める。G1では15年天皇賞・秋に並んで同産駒史上最多タイの頭数となった。グレード制導入後の最多はディープの父サンデーサイレンスが04年秋華賞(勝ち馬スイープトウショウ)で記録した11頭出し。ちなみにこのレースはダンスインザムードの4着が最高で、父が非サンデーサイレンスの馬が上位を独占した。

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