【新潟2歳S】トレセンを去るベテラン中山助手 クラシック制覇の夢を次世代に託す…フラーズダルム出陣
2020年8月24日 06:59 大学卒業後にトレセンに飛び込んで42年、馬づくりに打ち込んだベテランが先週、栗東を去った。攻め専(調教騎乗がメイン)として松永昌厩舎を支えた中山義一助手が来年1月の定年を前に64歳で早期退職。今後は妻の実家の仕事を手伝いつつ趣味のサーフィン、スキーを楽しむという。
「オレにとっては馬乗りという趣味がそのまま仕事になった感じ。楽しくやらせてもらったし、この仕事が好きだった。これからは波乗りとスキーがあるし、母校(甲南大学馬術部OB)に帰れば馬にも乗れる。長い間ありがとう」
北橋厩舎にいた頃はビハインドザマスクやエイシンプレストン、スターリングローズ、サイドワインダーなど重賞馬に携わった。06年2月末の解散に伴って松永昌厩舎へ。数え切れないくらい多くのサラブレッドにまたがり、その中で大器ウインバリアシオンは深く印象に残っている。11年ダービー、菊花賞といずれも2着。オルフェーヴルの3冠制覇を、すぐ後ろで見届けた存在だ。古馬になってからもGI・2着2回。手が届きそうで届かなかった。
「脚は4本とも裂蹄で両前が屈腱炎。脚元が丈夫ならGIを獲れたはず」
松永昌厩舎にクラシックのタイトルを―。その思いは次世代に託す。キズナ産駒の牝馬フラーズダルムは阪神マイルの新馬戦で4馬身差V。連勝を期して新潟2歳S(30日)へ。「初戦はイレ込みそうだったから、その前にデビュー。早めに使ったけど、あれだけ走るとはね。順調に来ているし、具合はいいよ」。これからは一ファンとして応援する立場。2戦目の走りに期待をふくらませている。