【北九州記念】レッドアンシェル、狙い通りV 進言したブリンカー着用で1年2カ月ぶり復活!

2020年8月24日 05:30

北九州記念を制したレッドアンシェル(左から2頭目)=撮影・中村 達也

 小倉メイン「第55回北九州記念」は福永祐一(43)騎乗の8番人気レッドアンシェル(牡6=庄野)が1年2カ月ぶりの勝利で復活を遂げた。

 逃げ切り狙いのスプリント女王を捉え、完全復活をアピールした。2枠4番から五分のタイミングでゲートを出たレッドアンシェルは道中、中団のイン。午前中のゲリラ豪雨の影響があったやや重の芝で、ハナを切ったモズスーパーフレアが前半3Fを32秒4で通過する。速い流れでも離され過ぎず、じっとチャンスをうかがった。手応えは十分。直線入り口でスッと外に動くと進路が開けた。あとは加速するのみ。上がり3F34秒2を刻み、ラスト100メートルで先頭へ。トップハンデ57キロをはね返して昨年CBC賞以来、重賞2勝目のゴールを駆け抜けた。福永は終始、冷静にリード。キッチリ脚を引き出した。

 「ポジションを狙っていかず出たなりで脚をためる形。(直線入り口は)前の馬がどちらに行くか分からなかったので、それを待ってから追い出しました」

 コンビを組んで11戦目となる鞍上は前走・CBC賞3着後、ブリンカー着用を進言した。1週前、当週の追い切りに続き、それを着けてゲートへ。視界を制限することで前への意識を高め、集中力を引き出すのに成功。「いつも手応えほど伸び切れなくて…。今日は返し馬からブリンカー効果が顕著。いい脚を使ってくれそうだなと思いました」と笑みを浮かべた。

 振り返ればレッドアンシェルは昨年この時期に右前脚を痛め、セントウルSとスプリンターズSをパス。秋全休となった。逆境を乗り越え、6歳夏につかんだ勝利に庄野師は「うれしいですね」と感無量の面持ち。「ジョッキーが落ち着いて乗ってくれたし、久しぶりにこの馬らしい競馬を見られて良かった」と人馬を称えた。昨年はゲートインすらかなわなかった電撃G1「スプリンターズS」(10月4日、中山)へ。「状態を見てからだけど参戦するなら直行になりそう」との方針。今年こそ、自力で道を切り開き頂上にアタックする。

 ◆レッドアンシェル 父マンハッタンカフェ 母スタイルリスティック(母の父ストームキャット) 牡6歳 栗東・庄野厩舎所属 馬主・東京ホースレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績19戦6勝 総獲得賞金2億2067万5000円。

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