【秋華賞】デアリング3冠達成に杉山晴師ホッ レース前の愛馬の“異変”明かす「正直、ヤバイと思った」

2020年10月19日 05:31

<秋華賞>会見で3冠ポーズをする松山弘平騎手(左)と杉山晴紀調教師(撮影・亀井 直樹)

 デアリングタクトを管理する杉山晴師は、レース前の愛馬の様子に異変を感じていた。「休み明けで、思っている以上にテンションが高かった。正直、ヤバイんじゃないかと思った」

 松山を背に返し馬を無事に終え、ゲートイン。レースはスタンド上段で座ったまま、冷静に3冠達成の瞬間を見守った。「道中、リラックスして走っていたし精神面の成長も見られた。最後は2着馬との差も詰まって少しヒヤッとしたが、押し切ってくれて良かったです」と笑顔で振り返る。

 開業5年目、38歳の若き調教師。オーナーの意向に沿ってローテを決めるのが主流となった現代だが、はっきり自分の意見を述べ、決断してきた。デアリングタクトの桜花賞V後にはダービー参戦も視野に入れ、秋華賞直行も自らの判断だった。「オーナーに理解してもらった。その分、結果を出さないといけないプレッシャーもあった。ホッとしてます」と安どの表情。

 96年ダンスインザダークの菊花賞制覇に感動し、この世界を志した。武宏平厩舎の助手時代には、調教を担当したスリーロールスで09年菊花賞V。「当時は人気もなかったし、あの頃とは責任も全然違いますからね。勝てて良かったです」と目尻を下げた。

 ただ、ここが終わりではない。次走について明言は避けたが「秋華賞で結果が出れば、上のステージでもレースをしてみたい気持ちはあります。この馬には毎回驚かせてもらっている。さらに強くしていかないといけない」。若きトレーナーの挑戦は続いていく。

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