コントレイルで無敗3冠の矢作芳人師は“人も”育てるプロ 基本哲学「可愛い子には旅をさせよ」

2021年3月14日 05:30

初勝利を挙げ師匠の矢作調教師(右)と握手する古川奈穂 (撮影・亀井 直樹)

 藤田菜七子以来、5年ぶりに誕生したJRAの女性騎手・古川奈穂(20)が13日の阪神6Rを1番人気バスラットレオン(牡3)で逃げ切って初勝利。3月1日の免許交付から13日目の初白星はJRA女性騎手史上最速。通算12戦目も西原玲奈(引退)の9戦目に次ぐ快速白星となった。

 古川奈の師匠、矢作芳人師(59)は東大合格者数40年連続トップを誇る開成高出身。昨年コントレイルで無敗3冠を達成したように今や日本トップの調教師だが“人を育てる”ことにかけても超一流だ。

 弟子の坂井瑠星(23)は16年デビュー。同年、25勝を挙げ、関西新人賞を受賞。ここから順調に出世街道というところで17年11月にオーストラリアへ武者修行に送り出した。坂井は厳しい環境下で腕を磨き、翌年10月にはG1にも騎乗。18年12月に帰国し、日本での騎乗を再開。すでに重賞を5勝し、若手のホープだ。

 実は坂井は今、中東に滞在中。ドバイ国際競走(3月27日)に出走予定のジャスティン(牡5=矢作)に同行している。馬に調教をつけつつ、豪州仕込みの英語で自ら営業。騎乗馬をつかみ、開催があるたびにレースに参戦している。「可愛い子には旅をさせよ」が矢作師の基本哲学。坂井の妹弟子である古川奈もいずれは海外への武者修行に出る日が来るかもしれない。

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