【桜花賞】(9)エンスージアズム&(10)アールドヴィーヴル 勝率断然トップの“幸福の黄色い5枠”
2021年4月9日 05:30 21年のクラシックが開幕。3歳牝馬3冠ロード第1章「第81回桜花賞」(11日、阪神)の出走馬18頭と枠順が8日、確定した。4戦4勝で2歳女王に輝いた白毛馬ソダシは内の2枠(4)番に決定。外回りで開催された07年以降の桜花賞で、(1)~(5)番は未勝利(2着1回)が続いており、試練の枠となった。一方、枠順別成績でトップは5勝の5枠だ。(9)番エンスージアズム、(10)番アールドヴィーヴルの2頭が好枠をゲットした。馬券は金曜発売がなく、10日から発売される。
桜花賞は外回りコースで行われるようになった07年以降、圧倒的に“内枠不利”の傾向になった。(1)~(5)番に入った馬は【0・1・4・63】と苦戦。うち「3番人気以内」の馬は8頭いたが、馬券に絡んだのは2頭しかいない。連対したのは、18年1番人気で2着だったラッキーライラックのみだ。
無敗で桜の女王を狙うソダシは、試練の内枠(4)番に入った。フルゲートの18頭がそろえば内はゴチャつき、スムーズなレースができないケースもある。さらに、Bコース(Aコースから3メートル外に内柵を設置)の舞台設定も外差しを後押しする。あるG1ジョッキーは「馬場のいいところ(外側)が近くなり、差し馬場になりやすい」と分析した。
外回り開催の桜花賞で枠順別成績を調べると、5枠が5勝で断然トップ(2位は4、7枠の3勝)。真ん中のゲートスタートから、内外を見ながらポジションを取り、直線は馬場のいい外へ出して末脚全開。これが近年の桜花賞攻略法だ。
昨年Vのデアリングタクトと同じ5枠(9)番をゲットしたのが、エンスージアズムだ。コンビを組む3年目の岩田望は「レースセンスのいい馬だし、この枠を生かせればと思います」と自身の初G1制覇に燃える。
上がり3F33秒台の末脚は魅力。前走のフラワーC(2着)も中団から勝ち馬を追い詰め、阪神JF3着の実力馬ユーバーレーベン(3着)に競り勝った。3戦連続でコンビを組む若武者は「力をつけています」とパートナーの成長を感じ取る。直線で外めの“Vロード”に出せれば、差し切りも夢ではない。
もう1頭の5枠、(10)番アールドヴィーヴルはデビューから3戦連続で5枠に入った。レースはイメージしやすいはず。今野師は「真ん中の偶数枠でいいところ」と歓迎。キャリア2戦でともに上がり3F最速をマークしているのは、昨年のデアリングタクトと同じ。「カイバも食べて体に張りも出てきた。調子は前回(クイーンC2着)よりいいし、楽しみですね」と意気込む。今年も“黄色帽”が直線、外から浮上する。
《どの枠が有利か》旧コースの06年までは内枠有利だったが、阪神競馬場改修後、外回りとなった07年以降は外枠有利。3コーナーまで十分な距離がある新コースでは、ゴチャつく心配がないためだ。1~3枠は【1・2・4・75】と結果が出ていない。16年には1番人気に推された3枠(5)番のメジャーエンブレムが4着に敗れている。無敗進撃を狙うソダシは2枠(4)番。内枠不振の傾向を打破、栄光をつかむことができるか。