【天皇賞・春】オーソリティ獲りにいく 父オルフェーヴルの“忘れ物”
2021年4月26日 05:30 昨年に続き今年も無観客開催なのは残念だが、今週は古馬の大一番「第163回天皇賞・春」が94年(1着ビワハヤヒデ)以来、27年ぶりに阪神競馬場で開催される。オーソリティは有馬記念で一敗地にまみれたもののG2・2勝の実績馬。前走ダイヤモンドS2着で長距離への適性も証明した。G1初制覇のチャンスだ。
日経賞1着ウインマリリン、2着カレンブーケドールの牝馬2頭が注目を集める関東勢だが、4歳牡馬オーソリティも忘れることなかれ。勝ち方が鮮烈だった重賞2勝に加え、前走のダイヤモンドS(2着)で長距離適性を証明した。木村師は「1番人気で、他馬より重量を背負った上で勝ちにいく競馬をした結果の2着。いい内容で、能力を改めて見せてくれた」と前哨戦を高く評価する。
中間はノーザンファーム天栄へ放牧。今月9日に帰厩して入念に乗り込まれてきた。1週前追いは長距離戦を見越してWコースを単走で長めに追い切り、7F98秒2~1F12秒3。いっぱいに追われて、最後まで力強い脚取りで駆け抜けた。「長く距離を乗りたかった。自分のフットワークで走らせるために単走にしたが、走りから状態の良さを感じた」と仕上がりに納得の表情を見せる。
初めて古馬の一線級とぶつかった昨年末の有馬記念はよもやの14着惨敗。木村師は「結果論にはなるが、今思えば完調手前だった」と敗因を分析できている。「3歳の頃と比べて心身ともにパワーアップした。追い切っての反動もないし、トラブルなくきている」。今度こその思いは強い。
父オルフェーヴルが古馬になって唯一連対できなかったのが、この春の盾だ。牡馬3冠を達成した父のような活躍を願われ、「権威、威信」と名付けられたオーソリティ。偉大な父の無念を晴らすためにも、仁川3200メートルの主役に躍り出る。
▽天皇賞・春 1905年(明38)創設の「エンペラーズカップ」が前身。37年(昭12)秋から「帝室御賞典競走」として東西で春秋2回開催に。戦争による中断を経て47年春に「平和賞」として復活。同年秋から「天皇賞」に改称。