【香港QE2世C】ラヴズオンリーユー横綱相撲V 地元成長株ホー完璧エスコート

2021年4月26日 05:30

ラヴズオンリーユー

 香港チャンピオンズデー諸競走が25日、シャティン競馬場で行われ、日本馬4頭が出走した「第47回クイーンエリザベス2世カップ」はラヴズオンリーユーが快勝。19年オークス以来のG1・2勝目を挙げた。2着グローリーヴェイズ、3着デアリングタクト、4着キセキで日本馬が上位独占。一方「第43回チェアマンズスプリントプライズ」で人気を背負ったダノンスマッシュは6着に敗れた。

 待ちに待った2つ目のG1タイトルは横綱相撲でつかみ取った。上がり勝負となった直線、横一線の追い比べから抜け出してきたのはラヴズオンリーユーだ。内で食い下がるデアリングタクトを振り切ると、追ってきたグローリーヴェイズも3/4馬身しのいでゴール。16年のドバイターフを制した全兄リアルスティールに続いて、兄妹での海外G1制覇を達成。これが初コンビだったホーはゴールの瞬間、右手に持ったムチを天に向かって突き上げ、喜びを爆発させた。

 「残り800メートルまでじっとして、そこから動かしていくと、しっかりと反応してくれました。このレースは私の夢の一つだったので、表現できないほど素晴らしい気分です!」

 勝利の陰に“先見の明”があった。矢作厩舎は海外G1・3勝目だが、その鞍上はリアルスティールがムーア、19年リスグラシューのコックスプレートがレーン。ベストジョッキーを早めに確保して、結果につなげてきた。騎乗したホーはこの日のチャンピオンズマイルで14連勝を達成した“香港最強マイラー”ゴールデンシックスティの主戦も務める成長株の30歳。まさにベストチョイスだった。

 日本でレースを見届けた矢作師は「ドバイで1頭となって調整が難しかった。頑張ってくれた馬に感謝していますし、調整を成し遂げたスタッフを誇らしく思います」と満面の笑みだ。

 「ジョッキーはデアリングを内に閉じ込めたいと言っていたけど、それにこだわらず、“自分のペースで競馬をしてくれ”と伝えました。いつも3、4コーナーで手応えが悪くなるけど、そこさえ頑張ってくれれば直線は伸びると思っていた。ドバイから香港に転戦して今までうまくいった例がないので、それを切り開けたのは良かったです」

 次の挑戦はどこか。今後について矢作師は「春に使うなら宝塚記念(6月27日、阪神)になると思うが、帰ってきて馬の状態と相談してから」としている。

 ◆ラヴズオンリーユー 父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー(母の父ストームキャット)16年3月26日生まれ 牝5歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・DMMドリームクラブ 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦6勝(重賞3勝目) 馬名の由来はみんなへの愛を込めて。母名より連想。

 ◆チャクイウ・ホー(何澤堯、ヴィンセント・ホー)1990年5月25日生まれ、香港出身の30歳。ニュージーランドでL・オサリバン調教師に師事。09/10年シーズンに香港デビュー。翌年見習いチャンプ。14/15年から香港出身騎手で最多勝となり、20年4月にサザンレジェンドでチャンピオンズマイルを勝ちG1初制覇を飾った。

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