【マイルCS】藤沢和師 最多6勝目、グランアレグリアねぎらう「ご苦労さんと伝えたい」

2021年11月22日 05:30

<阪神11R・マイルCS>連覇を達成したグランアレグリアを出迎える藤沢和師

 グランアレグリアを管理する藤沢和雄師(70)は同レース2度目の連覇で最多6勝目となった。

 ラストランで有終の美を飾っても涙はない。藤沢和師はいつも通り、にこやかな表情でグランアレグリアとルメールを出迎えた。93年シンコウラブリイ、97年&98年タイキシャトル、01年ゼンノエルシドを合わせて同一G1・6勝を飾った師は引き揚げてきた名牝に温かく、ねぎらいの言葉をかけた。

 「無事終了して、ひと安心ですね。若い頃と違って落ち着きが出ました。しまいはしっかりしているし、あんな位置取り(3角12番手)がいいのかな、と思って見ていました。2歳から5歳まで気持ちを切らさず走ってくれたし、ご苦労さんと伝えたい」

 来年2月末で定年引退を迎えるトレーナーはこれまで日々、当たり前のことを手抜きせずコツコツ積み重ねてきた。美浦トレセンにあるJRA通算1500勝の記念碑には「一勝より一生」のモットーが刻まれている。馬を伸び伸び育て、傷めず余力のあるうちに牧場へ返すのが調教師の本分――。スタンスは一切ブレなかった。

 「馬を大切に扱えば、いつか恩返ししてくれる」が口癖だ。シンコウエルメス(タワーオブロンドンの祖母)やハッピーパス(コディーノやチェッキーノの母)、レディブロンド(レイデオロの祖母)など自身が管理していた牝馬が繁殖入りし、その子供や孫が重賞ウイナーへと出世。グランアレグリアの子には携われなくても、そんなことは関係ない。「もちろん(引退するのは)寂しいけど、すてきなお母さんになると思うし、楽しみですよ」とエールを送った。大きなアクシデントもなく競走生活を終えて牧場へ。レース後、浮かべた笑みに安どの思いが表れていた。

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