【チャンピオンズC】(16)カフェファラオ 砂2冠への舞!Wコース単走でラップ抑えめ、堀師も納得

2021年12月3日 05:30

追い切りを行うカフェファラオ(撮影・西川祐介)

 今冬フェブラリーSに続くG1・2勝目を目指すカフェファラオが2日、出走馬唯一の木曜追い。美浦Wコースを単走で弾むように駆けた。函館記念(9着)から再びダートに戻る一戦で、史上4頭目となる同一年JRAダートG1ダブル制覇に挑む。

 1週前追いに騎乗したルメールが「状態さえ整えば絶対大丈夫。能力はG1級です」と話したカフェファラオ。計算され尽くしたステップを踏み、名手の希望通りの態勢が整いつつある。堀師は「先週はブリンカーで高ぶったのか、息遣いが荒かった。今日は単走で反応も動きも息遣いも良かった。安心しています」と納得の表情を浮かべた。

 最終リハはWコースで。序盤は行きたがるそぶりを見せたが、徐々に落ち着きを取り戻してピッチが上がる。ブリンカーを着用して攻めた1週前追いよりラップは控えめ(4F56秒1~1F12秒1)。それでも筋肉が盛り上がったトモが繰り出すフットワークは王者のそれだ。この日はブリンカー未着用でも、取り戻した前進気勢。堀師は「3週前の時点で十分に間に合うという判断。先週しっかりやって今週は微調整。調教の量は理想的です」と自信をにじませた。

 ダートの最高峰・米国ブリーダーズC挑戦へのシミュレーションに位置付けられた前走・函館記念(9着)。芝という条件を除けば、シャープなコーナー、長距離輸送、滞在調整と共通点が多かった。「そもそも日本とアメリカのダートは質が違うので(芝を選んだ)。いつか芝を試したいという意図もありました」。価値ある“試走”を経て、秋は国内ダート専念を選択。ルメールも「ダートなら全然違う走りができる」と腕をぶした。

 昨年のチャンピオンズC(6着)は、賞金加算のためにシリウスS(1着)を使っての参戦。堀師は「仕上がりが早い馬なので直行の方が調整がしやすいところはある。元々、馬体が完成していた馬だったので特に(昨年から)体つきは変わらないが、全体的な落ち着き、メンタル面はいい状態だと思う」と前向きな言葉を並べる。ブリンカーはレース直前にルメールとの相談で厚みを調整。ローテ、精神面が昨年より上、効果のある馬具まで手にした。砂の国の王様が、王位に帰還する。

 【試練の大外枠】カフェファラオは大外16番枠に決定。枠順抽選前、堀師は「内、外というよりは真ん中くらいの枠が選択肢を取れるので。今回はブリンカーを着けるので、どこかで馬の後ろに入って折り合いをつけたい。スムーズな競馬ができれば理想です」と話していた。それでも勝った20年ユニコーンSが大外16番枠、20年シリウスSが15番枠。試練の枠を乗り越えられるか。

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2021年12月3日のニュース