ダノンスマッシュ連覇で父ロードカナロアに続け

2021年12月10日 05:30

父ロードカナロア(上)とダノンスマッシュ(下)

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、現地時間12日、香港シャティン競馬場で香港国際レースが行われる。

 1200メートルから2400メートルまでの4つのカテゴリーに今年は12頭の日本馬が出走予定。どのカテゴリーもチャンスがありそうだが、中でも注目されているのは香港カップ(G1、2000メートル)に出走するラヴズオンリーユー(牝5=矢作)ではないだろうか。

 同馬は前走、アメリカのブリーダーズCフィリーアンドメアターフ(G1)を優勝。日本馬として初めてブリーダーズCの覇者となったわけだが、春には今回と同じ舞台のクイーンエリザベス2世C(G1)も制覇。有力馬なのは疑いようがない。

 そんな名牝は今回がラストランになる。過去に香港で有終の美を飾った日本馬は01年に香港ヴァーズ(G1)のステイゴールドや16年香港カップのモーリスらがいるが、13年に香港スプリント(G1)に出走したロードカナロアも同様だ。

 「走りたいという気持ちでレースへ向かわせたいので、追い切りは軽めにするつもりです」

 最終追い切り前にそう語ったのはロードカナロアと共に香港入りしていた安田翔伍助手(現調教師)。

 しかし、実際の追い切りはそれなりにビシッとやると、こう言った。

 「前年も来ていて環境に慣れているせいか妙におとなしかったので、急きょ予定を変更しました」

 決めつけず臨機応変に対応したこの行動が、結果につながる。ロードカナロアは2着馬に5馬身の差をつけ勝利。スプリント戦でのこの差はまさに圧巻。レース後、翔伍助手は言った。

 「最後の最後で初めて調教と競馬の内容が一致しました」

 そのロードカナロア産駒のダノンスマッシュが昨年の香港スプリントで親子制覇を飾ると、連覇を目指し今年もかの地へ乗り込んだ。父同様連覇なるか。ラヴズオンリーユーら12頭の日本馬が朗報を届けてくれることを期待したい。 (フリーライター)

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