【有馬記念1週前追い】パンサラッサ 魅せるターボ逃げ!先行力とスタミナで追いつかせない

2021年12月17日 05:30

単走で力強くCWを追い切るパンサラッサ(撮影・井垣 忠夫)

 来週に迫った「第66回有馬記念」の1週前追いが16日、栗東トレセンで行われた。先月の福島記念で逃げ切り勝ちを決め、重賞初制覇を飾ったパンサラッサはCWコースで単走。ラスト1F11秒5と抜群の伸びを見せた。2年ぶりのG1チャレンジに向け、着々と準備を進めている。

 パートナーの気持ちを優先させた。パンサラッサは菱田を背にCWコースで単走追い。序盤から軽快なフットワークで飛ばしていく。無理に抑えず、あくまでもリズムを重視。スピードを保ったまま、抜群の手応えで直線に入った。鞍上が仕掛けたのは残り1F。回転の速い脚さばきで一気にギアを上げ、6F80秒8~1F11秒5を刻んだ。やや内側(四分どころ)を通ったのもあるが時計が示す通りのスピード感だ。菱田が笑顔で感触を伝えた。

 「気持ち良さそうにリラックスして走れていた。直線は軽いアクションでスッと反応。さすがの動きだなと感じたし、内容は良かったと思います」

 この秋、逃げて2連勝。休み明けのオクトーバーSでオープン初勝利を挙げ、前走・福島記念で重賞初制覇を飾った。ゲートが開くと勢い良く飛び出し、追って追ってハナを主張。前半5F通過が57秒3だから超ハイペースだ。元々、前々で勝負する脚質とはいえ以前のように好位からではなく、かつてターフを沸かせた生粋の逃げ馬ツインターボ(93年七夕賞、オールカマーなど重賞3勝)をほうふつさせる大逃げを打った。「同型はいたけどレース前から逃げようと思っていました。(道中は)気分良く、自分の走りを意識しました」と振り返る。あれだけの高速ラップを刻んでも手応えは十分あった。3コーナー付近でひと息入れ、残り2Fから再び加速していく。セーフティーリードを保って直線に入り、2着ヒュミドールに4馬身差と後続をぶっちぎった。

 「最後まで余裕があったし、強かった。かなり力をつけていると思います。先行力があって、スタミナも豊富。今回の相手は強いけど、持ち味を生かせる展開なら…ですね」

 4歳秋を迎え、本格化を遂げた。19年ホープフルS6着以来、2年ぶりのG1チャレンジは日本全国のファンが注目する大舞台。人馬に迷いはない。テンからエンジン全開で暮れのグランプリを盛り上げる。

 《自己最多62勝!矢作師どこまで伸ばすか》パンサラッサを管理する矢作師は年明けからコンスタントに勝ち星を積み重ねて今年JRA51勝をマーク。53勝の中内田師に次ぐ勝利数で、そこに地方7勝、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌの海外4勝を合わせて62勝と断トツの成績、年間の重賞15勝も光っている。昨年までのキャリアハイが16年の61勝。既にそれを超えているから年末までに、どこまで勝ち星を伸ばすか注目だ。

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2021年12月17日のニュース