【朝日杯FS】アルナシームの爆発力期待!徐々に加速、併入フィニッシュ11秒4
2021年12月17日 05:30 最前線で取材をする記者が気になる馬に迫る「G1リベンジャーズ」は大阪本社の小林篤尚記者が朝日杯FSで唯一の木曜追い、アルナシームの動きを双眼鏡で追った。序盤に頭を上げるしぐさこそ見せたが我慢が利いていた。直線スムーズに加速。本番も折り合いがつけば巻き返しの期待は高まる。
慎重に、かつ慎重に。アルナシームの最終追いは見る者に軽いドキドキ感を与えた。前走の東スポ杯2歳Sは道中で制御が利かず、6着に敗れた。さて、収まりをつけて走れるのか。
CWコースに入った後は池添を背に僚馬エマージングロール(3歳3勝クラス)の3~4馬身後ろをゆっくりとダクで進める。向正面に差しかかっても、まだスピードは出さない。5F目から最初の1Fを16秒1で入り、徐々に加速していく。直線は追いかける形、ラストで馬体を並べて併入フィニッシュ。5F68秒6~1F11秒4をマークした。池添が切り出す。
「先週より我慢できていましたね。馬具を工夫していますし、進歩はあるのかな。フットワークは大きいし、背中のいい馬。ポテンシャルは高いですね」
前走は通過順(12―11―2―1)を見れば一目瞭然、向正面でコントロールが利かずに一気に位置を上げてしまった。この中間、陣営はさまざまな馬具を施した。その結果がメンコとクロス鼻革の着用。今回はハミの種類も替える。橋口師はその意図を説明する。
「いろいろな組み合わせを試して、この形の収まりが良かった。追い切りも動きうんぬんより、折り合いが重要。我慢できていましたし、しまいの反応は素晴らしかった。ジョッキーに5、6回は乗ってもらった。抑え方のコツをつかんでもらえたみたいです」
前走は残り1000メートルで先頭に立ち、そこから600メートルは11秒7~11秒6~11秒0と相当に速いラップを刻んだ。厳しいペースの中での6着に「直線で止まってもおかしくない流れなのに踏ん張ってくれました」と改めて地力を確認した。
折り合いさえうまくいけば、能力は引けを取らない。上手に脚をためられれば、しまいの爆発力につながる。ここ一番で勝負強い池添のテン乗りは魅力。折り合いに進境を見せた相棒を手の内に入れ、ステッキワークがうなる。