【シルクロードS】メイケイエール 進化の重賞4勝目!新スプリント女王へ名乗り

2022年1月31日 05:30

<中京11R・シルクロードS>直線で抜け出し勝利する池添騎乗のメイケイエール=右(撮影・亀井 直樹)

 今年初戦でV発進だ。「第27回シルクロードS」は2番人気メイケイエール(牝4=武英)が好位差しでV、4度目の重賞勝利を飾った。破壊力と掛かり癖は表裏一体の同馬だったが、明け4歳となった精神面の成長か、初の左回りで優等生ぶりを発揮。上半期のスプリント頂上決戦・高松宮記念の主役級へと名乗りを上げた。

 歯車がガッチリかみ合って快勝。他馬より遅くメイケイエールが引き揚げてくると検量室前には歓喜の輪が広がっていた。池添が「頑張ったな」と称えると武英師をはじめ、その場にいた厩舎スタッフら全員が笑顔。これで手にした重賞タイトルは4つ目だが、この1勝は格別の喜びだったに違いない。池添がみんなの思いを代弁した。

 「厩舎のみなさんがこの馬を立て直そうと話していたので、まずはそれが報われてホッとしました」

 昨秋のスプリンターズS4着以来、4カ月ぶりの実戦。折り合いに課題を抱えながらも秘める素質は高く、2番人気に支持された。横一線のスタート。序盤は行きたがるそぶりを見せ、いったん先頭に立ったが、すぐに快足馬ビアンフェの後ろで折り合った。手応えは十分。直線に向くと、あとは有り余るスピードのリミッターを解除するだけだった。後続が追い上げてくる中、2着シャインガーネットに1馬身差で危なげなくゴールイン。池添が力強くガッツポーズをするとファンから大きな拍手が送られた。鞍上は「折り返し(手綱)やパシュファイヤーの効果もあって上手に走れていました。直線で抜け出してからも頑張ってくれたし、しっかりレースをして、力があるところを見せられて良かったです」と安どの表情を浮かべた。

 もともと非凡な能力が備わっていながら前向きすぎる気性から競馬で制御不能になるケースもあり、陣営は試行錯誤を繰り返した。折り返し手綱もそのひとつ。レース直前で外す予定だったが池添、担当スタッフの判断でそのままゲートに向かった。「2、3歳時には効果が強すぎて使えなかった」(武英師)という馬具装着も奏功した。

 同じ中京芝1200メートルに組まれ、今季の目標に掲げる高松宮記念(3月27日)に向けて視界は良好。武英師は「前哨戦としては最高の競馬。これを機に競馬を覚えてくれれば。今回以上の状態に持っていって、いい結果を出したい」と本番を見据える。4歳初戦で自身の成長に加え、さらなる可能性を示す勝利。胸を張って大舞台に向かっていく。

 ◆メイケイエール 父ミッキーアイル 母シロインジャー(母の父ハービンジャー)18年2月23日生まれ 牝4歳 栗東・武英厩舎所属 馬主・名古屋競馬 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績9戦5勝(重賞4勝目) 総獲得賞金1億7628万2000円。馬名の由来は冠名+応援。

 【シルクロードSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 JRA重賞勝利は池添が昨年の富士S(ソングライン)以来で通算88勝目。15年から8年連続となった。武英師は同馬で勝った21年チューリップ賞以来で通算4勝目。

 ☆種牡馬 ミッキーアイル産駒のJRA重賞勝利は21年小倉2歳S(ナムラクレア)以来で通算5勝目。

 ☆ハンデ 55キロの勝利は20年アウィルアウェイ以来、2年ぶり4回目。トップハンデは17年にダンスディレクターが勝って以降、未勝利となっている。

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