【フェブラリーS】テオレーマ ルメールで一発!ソダシに負けない絶“牝”切れ味

2022年2月16日 05:30

坂路でキャンター調整するテオレーマ

 20年モズアスコット、21年カフェファラオ。フェブラリーSで1番人気馬をソツなくエスコートしてきたクリストフ・ルメール(42)が、今年は一転穴馬とコンビを組む。歩んできた路線は牝馬限定の交流重賞。力関係が測りにくいからこそ、逆に配当的な魅力に満ちている。牝馬優勢の時代。一撃必殺の切れ味を持つテオレーマが歴史を塗り替えるかも。

 紅一点じゃない。白毛のプリンセス・ソダシの陰に隠れたテオレーマこそ畏怖すべき存在だ。居並ぶ強豪牡馬をまとめて蹴散らすシーンがあるかも。

 牝馬のフェブラリーS勝利は96年ホクトベガただ1頭。しかも当時はG2。G1昇格の97年以降、首位争いを演じた牝馬は00年のゴールドティアラ(2着)とファストフレンド(3着)ぐらい。近年はことごとく惨敗している。が、テオレーマの参戦には勝算が垣間見える。火曜朝、石坂師は虎視たんたんの笑みを浮かべてこう話した。

 「今回は牡馬混合。あくまでチャレンジャーですが中央のG1で目標にするならここしかないでしょう。通用するかしないか、使ってみたい」

 これまでの交流重賞3勝は全て牝馬限定戦。ポテンシャルが測りにくいが、繰り出す末脚の破壊力は他馬と一線を画している。前走のTCK女王盃はヒヤリとさせられたが、それもここへの布石と考えれば納得できる。担当の渡辺厩務員が内情を明かしてくれた。

 「前走に関しては八分か九分ぐらいだと思ってましたからね。普通牝馬は使ってガタッとくる馬が多いけど、この馬は使うと状態が上がるタイプ。それに1800メートルの距離は少し長い。マイルの舞台設定はいいと思います」

 事実3勝目を挙げた東京マイルの西湖特別は4角12番手から直線だけで先行勢を捉え、さらに4馬身ちぎって捨てた。早くからこの舞台は意識するところだったはず。さらなる追い風は鞍上にフェブラリーS連覇中のルメールを確保できたことだろう。

 「先週乗ってもらって、どういう馬か感触をつかんでもらった。“乗りやすくて反応がいい。状態も良さそう”と言ってくれました。操縦性の高い馬ですからね。(テン乗りも)心配いらないでしょう」と師。前走までコンビを組んでいた川田がレッドルゼルに騎乗するため、ポッカリ空いた鞍上に舞い降りた名手。20年モズアスコット、21年カフェファラオに続くフェブラリーS3連覇の偉業は驚ガク配当のおまけ付きだ。

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