【金鯱賞】アカイイト 27年ぶり牝馬Vへ大チャンス!伏兵から卒業、主役ロードを歩む
2022年3月9日 05:30 牝馬のメダル独占も夢ではない。中京日曜メイン「第58回金鯱賞」(1着馬に大阪杯優先出走権)には牝馬6頭がエントリー。95年サマニベッピン以来の牝馬Vに挑む。主役候補の一頭が昨年のエリザベス女王杯覇者・アカイイト。幸とのコンビがフィット、折り合いに進境を見せる。メンバーを見ても先行激化の予感。速い流れに導かれ、勝利の糸をたぐり寄せる。
牝馬の時代と言われる。昨年はグランアレグリアやクロノジェネシス、ラヴズオンリーユーが国内外のG1戦線で活躍。金鯱賞でも3年前にリスグラシュー、昨年はデアリングタクトが2着。強豪牡馬に交じって好走を見せた。今年は昨年のエリザベス女王杯覇者・アカイイトにスポットライトが集まる。前走の有馬記念7着で地力強化を再確認。若林助手が手応えを口にする。
「向正面からのスタートで、1周目のゴール板まで折り合いはどうかなと思って見ていました。2500メートルでも折り合っていましたし、内容は良かったと思います。上位を見ても、強い馬ばかり。去年の今ごろを思えば、有馬記念7着は考えもしませんでした」
春の大目標を大阪杯(4月3日、阪神)に見据え、ここから立ち上げる。1週前追いは幸が騎乗、坂路単走で4F51秒7~1F12秒8をマーク。鞍上は「動きは良かったですね。時計もいいですし、昨年のエリザベス女王杯の時の追い切りといい意味で変わらない感じです」と好ムードをにじませた。このコンビで今回が3走目。若林助手は「手が合っていますね。エリザベス女王杯の時もこの馬を研究して、結果があの競馬でした」と笑顔を見せる。
ゾクゾクする感触に間違いはなかった。デビュー前にこの馬に乗った。「スピードのノリと背中が良かった。モノが違うと思いました。最近でも運動で乗っていても、背中がいいなと思います」。494キロでデビューして、前走が自身最高となる516キロ。着実にパワーアップを遂げた。
エリザベス女王杯は大が付く伏兵だった。3連単339万円超のビッグ配当は後世に語り継がれるだろう。今年は違う。主役を歩む。たくましさを増した5歳牝馬のニューストーリーが、尾張で幕を開ける。
《サマニベッピン以来の牝馬制覇へ》金鯱賞の牝馬Vは95年サマニベッピンから遠ざかる。この年は牝馬8頭出し。単勝9番人気で好配を演出した。2着に2番人気フェイヴァーワンで牝馬のワンツー決着。このレースは過去7頭牝馬が制しているが、1番人気の勝利は1頭だけ。今年は大挙6頭出し。27年ぶりに歴史の扉を開くことができるか。
▽21年エリザベス女王杯 アカイイトが3角過ぎからロングスパートを開始する。直線で身上の末脚を解放。残り200メートルを過ぎて、1番人気レイパパレをかわしてグイッと先頭へ。単勝10番人気とは思えない、強い内容でG1初Vを決めた。幸はレースVTRをくまなくチェック。テン乗りで“一発回答”を出した。2着から8着までが首、鼻差で連なる大接戦。外から差し込んだステラリアが2着に入り、キズナ産駒ワンツーが完成した。