【大阪杯】ジャックドール 究極ラスト1F10秒8!CWで“黄金の逃げ脚”サク裂
2022年3月31日 05:30 王者を完封する準備は整った。「第66回大阪杯」の最終追い。栗東では5連勝で金鯱賞を制したジャックドールが藤岡佑介(36)を背にCWコースで、30日のラスト1F最速となる10秒8の好タイムで駆け抜けた。中2週のローテーションにも不安はなく、勢いに乗って初めてのG1舞台へ。陣営は圧倒的なスピードを武器に、打倒エフフォーリアに燃える。
5連勝中のジャックドールは、さらに進化した走りで王者に立ち向かう。藤岡佑を背にした最終追いはCWコースでスーパーホープ(4歳2勝クラス)を5馬身追走。序盤はゆったり運び、コーナリングで徐々に差を詰めていく。直線に入って半馬身差まで接近。そこからが速かった。
いっぱいに追われると独特の柔らかい脚さばきで瞬時に抜き去り、ラスト1F10秒8の切れ味で首差先着。中2週のローテながら、近2走の最終追い切りのラスト1F10秒9、11秒3を上回った。鞍上は「中2週なんで全体時計(5F66秒9)は速くせず、しまいだけしっかり動かしてほしいと。指示通りの内容でしたね。硬さとか、しんどいそぶりも見られない」と好調をアピール。同じく中2週だった4走前は5F68秒0~1F12秒4の馬なり調整だったが、しっかり追えるのはそれだけ充実してきた証拠だ。
初めての重賞挑戦だった前走の金鯱賞はレイパパレ、アカイイトのG1馬を寄せ付けずに2馬身半差の快勝。1分57秒2のレコードで逃げ切った。管理する藤岡師は「条件戦の時から時計をどんどん詰めている。前走は思った以上に強い競馬をしてくれた。体がしっかりしてきたのが一番かな」と快進撃に目を細める。
5連勝は全て左回りのコース。右回りは当舞台の未勝利戦V以来、約11カ月ぶりとなるが、鞍上は「手前の変換はスムーズだし特に心配はない。久々なのでコーナリングを戸惑わずに走れれば」とポイントを挙げた。近4走は逃げ切りV。「スムーズに先手を取れるのが一番。先行馬にとって有利な舞台だし、そのアドバンテージを最大限生かしたい」と戦法に迷いはない。
調教師&騎手の藤岡親子タッグはこれまでG1に18回挑戦し、18年皐月賞(サンリヴァル)の2着が最高着順。息子は「この世界に入った時から父の管理馬で大きいレースを勝つのが夢のひとつ」と力を込める。その夢をかなえるために、大きな壁となるのがエフフォーリアの存在。父は「挑戦する立場だが、決して負かせない相手ではない」と息子に託した。“黄金の逃げ脚”を武器に、今度は年度代表馬を封じ込む。
《父・モーリス譲り》ジャックドールの快進撃は偉大な父譲りだ。父モーリスも条件戦(若潮賞・2勝クラス)から連勝を積み重ね、4連勝でG1初挑戦だった15年安田記念を制した。同年のマイルCS→香港マイルも勝ち、翌年の香港G1チャンピオンズマイルまで7連勝。藤岡師は「馬の格好や能力、スピード値が勝っているのは父と似ているかな」と口にする。昨年の大阪杯はレイパパレがデビューから6連勝で制覇。今年もジャックドールが6連勝でビッグタイトルをつかみ取るか。