【天皇賞・春】(15)タガノディアマンテ 助手の思いにジーン

2022年4月29日 05:30

厩舎周りで運動を行うタガノディアマンテ(撮影・亀井直樹)

 【G1ドキュメント・栗東=28日】今年の天皇賞・春は2強ムード。割って入る馬はいるのか。新谷は調教VTRを確認した中で、タガノディアマンテが気になった。木曜朝、鮫島厩舎へ向かうとタイミング良く、プール調整を済ませて厩舎へ引き揚げてきた松浦助手の姿が。「先週ジョッキーでしっかりやった。今週は馬場(不良)も悪かったので微調整。それでも動きは良かったです」と納得の表情を浮かべた。先週、幸を背に坂路で4F51秒1(1F12秒4)を刻んで併入。最終追いは坂路でサッと済ませ、4F54秒5~1F13秒1をマークした。

 昨年のAJC杯9着後に屈腱炎を発症して長期休養。今年の中山金杯4着で実戦に復帰した。その後、追い日以外はプールで入念に調整を進めてきた。松浦助手は「脚元は問題ない。プールで調整して、以前より心肺機能は高くなっていますよ」と進化を口にする。

 前走・京都記念は道中、力むしぐさを見せながら2着に粘った。「あれだけ(ハミを)かんでいたら、普通の馬ならバテてしまう。2着に踏ん張ったのは、心肺機能が優れているということでしょう」。一昨年のスポニチ賞ステイヤーズS2着以来の3000メートル超の実戦に「長距離の方が持ち味を生かせる。リズム良く行けたら、位置取りはどこでも構わないですよ」とイメージを膨らませた。

 4頭出しとなるオルフェーヴル産駒の一頭。松浦助手は「激しい気性は似ている。(ケガから)執念で戻ってくれた。悔いのない走りで勲章を獲らせてあげたい」と結んだ。その優しい言葉に新谷は胸が熱くなった。

 《外枠で好成績》タガノディアマンテは15番枠からのスタートとなった。野田助手は「特にこだわりはなかったですね。雨予報もありますし、内が悪くなる可能性もありますから」と話した。20年の万葉Sは大外15番枠でV。その年のステイヤーズSも外枠で2着と好走した。長期休み明けを乗り越え、完全に復調ロード。一発が怖い。

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2022年4月29日のニュース