【日本ダービー】ハイペースの経験生きるプラダリア!
2022年5月26日 05:30 予想の重要ファクターである展開をさまざまな角度から検証する春のG1企画「展開王~前か後ろか」は青葉賞勝ち馬プラダリア(牡=池添学)を取り上げる。
今年のクラシック戦線はスローペースのレースが続いた。皐月賞までに行われた芝1800メートル以上のオープンクラス(牝馬限定戦を除く)で前半5F通過が60秒を切ったのは毎日杯(59秒6)のみ。皐月賞も逃げ候補デシエルトがつまずくアクシデントがあったとはいえ、前半5Fは60秒2と落ち着いた流れになった。
そのデシエルト陣営が再び逃げ宣言。皐月賞は同じく控えて結果が出なかったビーアストニッシドも理想はハナだろう。さらに皐月賞で逃げたアスクビクターモア、毎日杯を逃げ切ったピースオブエイト、青葉賞で前半3Fまで先頭だったロードレゼルなど先行馬も多数。ほとんどの馬が経験したことがないような速い流れになる可能性もある。
そこで浮上するのが青葉賞馬プラダリアだ。今年の青葉賞は前半5F58秒9のハイペース。G2に昇格した01年以降、最も速いペースだった。これまでの最高通過タイムは03、17年の59秒7。それぞれの勝ち馬はゼンノロブロイ2着、アドミラブル3着とダービーでも上位争いを演じている。
プラダリアは5番手追走から、この速い流れを差し切った。2分24秒2の勝ち時計もレース史上4番目タイの好時計。デビューからコンビを組む池添は「本番を見据えながら進めていって、直線もしっかり反応して伸びてくれた。いい勝ち方ができた」と評価した。同じ舞台、速い流れを経験しているのは大きな強みになる。
青葉賞からダービーは勝てない――。同じ舞台のトライアルでどれだけ強い勝ち方をした馬でも、世代の頂点に立つことはできなかった。それでも、池添は「タイミングの問題だと思う。今回それを達成できればいい」と意気込む。未勝利勝ちからの青葉賞Vは史上初。規格外の青葉賞馬ならジンクスを打ち破れるかもしれない。
▼03年ダービー 重馬場での一戦。エースインザレースが序盤はハロン13秒台に落とすことなく逃げ、1000メートル通過は61秒1と馬場を考えれば締まった流れで持久力勝負に。青葉賞勝ち馬ゼンノロブロイが2番手から直線馬場のいい外に持ち出して伸びたが、ネオユニヴァースが半馬身差で差し切って2冠達成。勝ち時計は2分28秒5。