【日本ダービー】イクイノックス 世代の頂点へ冷静沈着、ルメール「勝つ自信あります」
2022年5月26日 05:30 最大のライバルは身内にあり!?世代の頂点を決める「第89回日本ダービー」の最終追い切りが25日、東西トレセンで行われた。皐月賞馬ジオグリフの僚馬で同2着のイクイノックス(牡=木村)がクリストフ・ルメール(43)を背に疲れを全く感じさせない出色の脚さばきを見せた。
父譲りの流麗な馬体が陽光にきらめく。2冠阻止の最右翼イクイノックスは僚馬ジオグリフの直後、同時刻午前6時ちょうどにWコースを駆け抜けた。セントオブゴールド(5歳2勝クラス)を4馬身追走。道中エキサイトした皐月賞とは打って変わって冷静沈着。4角で前に並ぶと、手綱を握ったルメールの許可さえあればどこまでも伸びていきそうな抜群の手応えで、5F68秒4~1F11秒6で1馬身先着した。
「皐月賞がダメでも次(ダービー)は勝てる」
皐月賞前の会見でそう言い切ったルメール。その自信は揺るがない。「いい準備ができた。自分から動いていたし、ずっと冷静に集中できた。気持ちが高ぶらずに状態だけ上がった。ベストコンディション」。オークスでは昨年12月から続いた自身の国内重賞の連敗を29で止め、雄叫びを上げた。「2着が多くてフラストレーションがたまっていたからね。本当はそれを見せたくないんだけど(笑い)。人気ある馬に乗るので責任がある。改めて勝ちたい思いが強くなった」。勝てない苦しみを抱え込む姿はもうない。
相棒イクイノックスは疲労が残りやすい体質。東スポ杯2歳Sから皐月賞への直行を選択したのはダービーに万全な状態で臨むためだった。中147日から中41日まで間隔は詰まるが、木村師は「皐月賞までは中身が追いつかず、ハードワークをするたびに皮膚病の症状が出た。今回は一貫して毛ヅヤがいい。内臓、循環器系が機能してきた」と愛馬の進化を伝える。ルメールも「全然疲れていなかった」と証言した。
父キタサンブラックは15年14着、母の父キングヘイローは98年14着。ダービー制覇は血の宿願でもある。“ダービー馬はダービー馬から生まれる”というが、常識破りの走りを続けてきたイクイノックスには関係ない。名手は前週と同じ言葉を紡いだ。「勝つ自信があります」。