【エリザベス女王杯】ジェラルディーナ 伸び抜群!初G1制覇へ超良血開花、名牝の母と同じ栄光の道歩む

2022年11月10日 05:30

ソフトフルート(右)に先着するジェラルディーナ

 「第47回エリザベス女王杯」(13日、阪神)の最終追い切りが9日、栗東、美浦トレセンで行われた。母にG1・7勝、12年の3冠牝馬ジェンティルドンナを持つジェラルディーナ(牝4=斉藤崇)は栗東CWコースで併せ馬を行った。直線で僚馬を突き放して先着、力強い動きを見せた。前走・オールカマーで待望の重賞初制覇。ひと皮むけた超良血馬が一気にG1初Vへ手をかけるか。同レースの出走馬は10日に決定する。

 今が見ごろの紅葉のように、超良血馬が鮮やかに色づき始めた。ジェラルディーナの母ジェンティルドンナは12年の3冠牝馬、G1・7勝の名牝だ。追い切りはCWコース、2週連続で団野(レースはC・デムーロ)が騎乗。ソフトフルート(5歳オープン)を相手に力強い動きを見せた。

 僚馬に対して大きく先行する形。雄大なフットワークが目を引く。パートナーを内へ迎え入れ、直線で馬体を並べた。ラストはグイッとひと伸び。一気に突き放した。馬なりで5F(1000メートル)69秒3。ラスト2F(400メートル)は11秒8→11秒7と抜群の伸び、1馬身先着した。管理する斉藤崇師は稽古を進めるごとの気配アップを強調した。

 「先々週はまだ重い感じがしましたけど、先週は先々週に比べたら反応が出てきていました。順調に一歩ずつ上がってきていますね。最終追い切りは全体的に時計が速くなりすぎないように。並んでからの反応も動きも良かったですね。体も動きももう一段良くなった気がします」

 昨夏から一気の3連勝。期待は大きく膨らんだ。6走前のチャレンジC(4着)からは重賞に挑戦。だが、競馬場や距離を替えて臨んでも、あと一歩が届かない。まばゆいブラッドラインを身にまとった素質馬は課題の折り合いと向き合う日々を送った。

 トレーナーは「一番変わったのは折り合いの部分。以前は調教で結構ハミをかんでしまうところがありました。福永(祐一)さんが乗りやすい馬にしてくれた。丁寧に乗ってくれて折り合うようになって、その心配がなくなったのが大きいですね」と3歳夏から計8走で手綱を取った名手の教えが大きいと説明した。

 前走のオールカマーで重賞初V。やっとタイトルに手が届いた。ここ3走はずっとプラス体重、前走はデビュー以来最高の464キロだった。「カイバも食べた分が身につかないところもあったけど、年末から今年にかけてだいぶそのあたりも落ち着いてきた」と成長を実感した。

 母が歩んだ栄光の道のりを追う旅は始まったばかり。「血統的にもG1を勝って牧場に帰したいなという思いは強いですね」。充実期を迎えた良血を遮るものは何もない。鞍上にイタリアの名手を迎え、黄金色の秋を突き進む。

 ≪母父ディープインパクトの血が騒ぐ≫今年9月に96歳で亡くなった英エリザベス女王は競馬に深い愛情を注いだことでも知られ、馬主としてダービー以外の英クラシック4競走を制覇。ディープインパクトの3代母ハイクレア(1000ギニーなど)のオーナーでもあり、その縁でディープ産駒も所有した。今年のエリザベス女王杯でディープ産駒はテルツェット、母の父ディープはジェラルディーナとアンドヴァラナウトがいる。

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