【チャンピオンズC】“チャレンジ”だけで終わらせないシャマル大駆けムード

2022年11月30日 05:30

坂路を駆け上がるシャマル(撮影・亀井直樹)

 【G1ドキュメント・栗東=29日】冬時間の馬場開門は午前7時だが、オサムは5時前に調教スタンドにスタンバイ。香港遠征馬の国内最終追いを見届けるためだ。香港スプリントに向かうレシステンシアは5時14分に坂路を駆け上がってきた。しまいを伸ばし、4F53秒9~1F11秒6。相変わらずの瞬発力。変わらない存在感だ。

 「朝早くから、お疲れさまです」と記者をねぎらってくれた松下師。好仕上がりを見せる愛馬に「安田記念(11着)以来になるけど先々週(4F52秒7)、先週(4F51秒9)としっかりやってきた。今年も変わらない感じ」と目を細めた。昨年の香港スプリントは初の海外遠征ながら強豪牡馬相手に大健闘の2着。今年こそ、と力が入る。

 その松下厩舎は今週のチャンピオンズCにも魅力的な存在がスタンバイ。南部杯3着からの参戦になるシャマルだ。「前走の内容的にも血統的にも、距離は(1F延びても)持つと思うんです。ここでいい競馬ができれば先々が楽しみになる」。決してチャレンジだけに終わらせない。そんな意気込み、確かな手応えを感じる。
 前走の南部杯はイジメられた。外枠(16頭立て15番)が致命的で内からプレッシャーをかけられ終始、外を回らされる形。それでも上がり3Fは最速。そこに距離対応の可能性を見たと指揮官は言うのだ。

 父スマートファルコンは34戦23勝という桁違いの成績を挙げた歴史的名馬。距離は1400メートルから2400メートルまでこなした万能型だった。前走は自分の競馬をさせてもらえなかったシャマルだが、今回は間違いなく主導権を握れる。絶対王者テーオーケインズに土をつけるなら、恐らくこんなタイプの馬だろう。 

特集

2022年11月30日のニュース