【有馬記念】ディープボンド 昨年の忘れ物を取りにいく 凱旋門賞惨敗からの反抗再び

2022年12月20日 05:12

初のG1制覇は有馬記念で。調整が順調なディープボンド

 昨年の雪辱を誓い、中山に乗り込む。10度目のG1チャレンジとなる「第67回有馬記念」でビッグタイトルを目指すディープボンド(牡5=大久保)は今年も仏遠征明けで暮れの大舞台に狙いを絞ってきた。5番人気2着に入った1年前と比べても出来は引けを取らない。いや、陣営はそれ以上の感触をつかんでいる。

 昨年の忘れ物を取りにいく。ディープボンドは2年続けて有馬記念に挑戦。昨年は道中6番手でロスなく進めたものの、誤算は4角だった。バテた馬が進路をふさぎ、窮屈になるシーン。直線は内から猛追し、2着に追い上げた。負けはしたが、初の海外遠征を経て、心身ともに大きく成長した姿を見せた。

 今年もフランスへ。前走・凱旋門賞はレース直前に降り出した大雨の影響で瞬く間に馬場が悪化。道中4番手の外で積極的に運んだが直線、伸びを欠いて18着に敗れた。本来の力を出し切れず、2年続けてロンシャンのタフな馬場に苦戦。川田は「精いっぱい頑張ってくれました。具合も良かったけど直前に雨が降った影響がありました」と悔しそうに振り返った。

 帰国後は検疫を経て鳥取県の大山ヒルズに放牧。昨年同様のローテで暮れに照準を合わせている。先月24日の栗東帰厩後は徐々にピッチを上げ、追い切りを重ねた。1週前追いは川田を背にCWコース併せ馬。先導役グリューヴルム(3歳1勝クラス)を5馬身追いかけ、直線は内からグイグイ加速。6F81秒8~1F11秒4とシャープに伸びて1馬身先着した。谷口助手は「いつになく動きが軽いんです。放牧から帰厩後(凱旋門賞帰りの)疲れがあるかと思って、またがってみたら、いい意味でアレ?って。去年とか今年の春と比べても、いいんじゃないかと思います」と好感触だ。これまで国内外のG1出走9回で21&22年天皇賞・春、昨年の有馬記念と3度の銀メダル。今度こそ――。その思いでグランプリに臨む。

 ○…前走・凱旋門賞組は別表の通り9頭が出走し、5頭が馬券に絡んでいる。昨年はディープボンド自身が2着に入り、3着クロノジェネシスと凱旋門賞組2頭が馬券に絡んだ。凱旋門賞が2桁着順の惨敗でも気にする必要はない。年齢別で4歳の【0・1・0・3】に対して5歳は【1・0・2・1】とリード。同じ凱旋門賞組でも4歳タイトルホルダーより5歳ディープボンドにデータの後押しがある。

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