サマーグランプリ「第64回宝塚記念」は国内外でG13連勝中のイクイノックスをはじめ、タレントぞろいだ。天皇賞・春で勲章を手にしたジャスティンパレスは21日、鮫島駿騎乗の栗東CWコースで好仕上がりをアピール。G1連勝へ、態勢を整えた。

　大きな山はきっと崩せる。そんな野望を抱かせる最終追いだった。ジャスティンパレスは1回目のハロー（整地）明け、地下馬道から実に落ち着いたたたずまいで馬場入り。2週連続で鮫島駿を背に、イクスプロージョン（5歳オープン）と併せ馬。パートナーを前に見る形で追走を開始した。グッと首を下げ、ほど良く気合が入っている。4角で間合いを詰め、直線で馬体を並べる。外でいっぱいに追われる僚馬を内からスムーズに差を広げていく。6F82秒2～1F11秒3をマーク、半馬身先着でフィニッシュした。鞍上はストレートに手応えを伝える。

　「仕上がりは抜群にいいです。先週も水曜、金曜と乗せていただいたけど、その時より素軽くなっているように感じました。前に1頭置いて追いかける感じで、最後は併せにいって余力残しで手応えを確かめながら、という内容。とても落ち着いていますね」
　菊花賞3着以来のコンビ復活となる。初めて手綱を取った神戸新聞杯でV。付きっきりでゲート練習に取り組んだ。杉山晴師は「神戸新聞杯の時からゲートを出るようになっています。彼がゲートを出すということを教えてくれたのは間違いないです」とキッパリ。発馬がスムーズになり、今年は阪神大賞典から天皇賞・春と重賞連勝。G1ウイナーの仲間入り。前走は472キロで菊花賞との比較で20キロの馬体増。数字にも見えるパワーアップが充実ぶりを物語る。

　ファン投票5位で迎える夏のグランプリ、鮫島駿は冷静に夢舞台への思いを語った。「レースセンスの良さで距離の融通が利くと思います。勝ちたい気持ちは強いけど、個人的な感情を持って馬の上に乗るというよりは、馬の上に行ったら冷静にいつも通り騎乗するだけです」とサラリ。名種牡馬ディープインパクトは勝てば産駒として歴代単独最多のJRA・G1・72勝に到達する。26歳と若き鞍上のG1初制覇という希望も乗せて、打倒イクイノックスへの旅路へ向かう。