【宝塚記念】ライラック Wコース馬なり併入!道悪で花咲かせるか

2023年6月22日 05:27

併せで追い切るライラック(右)(撮影・村上大輔)

 【G1ドキュメント・美浦=21日】梅雨時のどんよりとした天気が続く美浦トレセン。憂鬱(ゆううつ)になりがちな気分を晴れやかにしてくれる花といえば…。アジサイ、キキョウ、ラベンダーにハナショウブの鮮やかな紫の花弁。「うちのも咲いてくれないかな。道悪は苦にしないから雨は歓迎。前走は大敗したけど、具合はずっといいんです」。フランス語で「リラ」、英語で「ライラック」と呼ばれる甘い香りの落葉花木と同じ名を持つ4歳牝馬に相沢師が頼もしげな視線を送っている。「大丈夫です。問題ありません」。ライラックの稽古をつけた石川の報告に同師は満足そうにうなずいた。

 その名の通り、花のように色鮮やかな光沢を放つ鹿毛馬がWコースで弾む。3馬身先行したハコダテメモリー(3歳未勝利)の内に進路を向けると、馬なりのまま併入。「状態は高いレベルで安定しているんですよ」。馬場の出口で石川から手綱を受け取った三尾助手も好感触を口にした。

 前走・目黒記念(9着)は前残りのペースに泣かされて追い込み不発。「後ろから行く馬なので展開に左右されるが、流れが向けば昨年のエリザベス女王杯(2着同着)ぐらい走れます。今度も同じコース(阪神2200メートル)だし、あとは雨が降ってくれれば」。同師は重馬場だった女王杯の再現を期している。

 予報ではレース当日の阪神地方は曇り時々晴れ、降水確率40%だが、梅雨時の天気予報は外れやすい。梅雨前線の動きが読みづらく、梅崎の競馬予想並みの的中率にとどまる、気象予報士泣かせの季節だ。阪神の芝が慈雨にぬれれば…ライラックの花のような甘い香りの穴馬券を運んでくる。

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