【宝塚記念】(11)ジェラルディーナ 母ジェンティルドンナの雪辱へ加速ラップ!

2023年6月23日 05:30

CWコースにて併せ馬で追い切るジェラルディーナ(手前)(撮影・亀井直樹)

 サマーグランプリ「第64回宝塚記念」の出走馬と枠順が22日、確定した。11番に決まったジェラルディーナはメンバー唯一の木曜追いを実施。CWコースでラスト1F11秒4をマークし首差先着した。同じ舞台の22年エリザベス女王杯に続くG1制覇を狙う。

 どこまでも“静”の景色が広がっていた。この日の栗東トレセンは強い雨。ジェラルディーナが姿を見せた時は小降りになった。CWコースを駆ける馬は一頭もいない。僚馬ドンフランキー(4歳オープン)を従えて馬場入り。2、3馬身のリードを取りながら、ゆったりと入る。しまい重点の運び。直線で内から僚馬が馬体を並べ、前に出ようとする。そこからグイッと盛り返し、首差だけ前に出てフィニッシュした。

 オールカマーからずっと最終追い切りに乗る団野が切り出す。「(僚馬に)置かれそうになったけど、動かしたら動いていましたからね。反応が良かったです。5Fの手前から体の使い方も良かったし、息遣いが乱れることもなかったです。最近の中では一番良かったと思います」と好ムード。馬なりで全体時計は5F72秒4と平凡だったが、ラスト2Fは11秒9→11秒4と上々の加速を見せた。

 昨秋はオールカマー、エリザベス女王杯と重賞連勝を飾った。晩成型の父、ここに来て良血は花開いた。斉藤崇師は「3歳の頃にあった気性の危うさがなくなって、体も充実してきました」と振り返る。

 今回は勝ったオールカマー以来の木曜追い。「条件戦の時も木曜日に追い切って結果を出していますし、問題ないです。全休明けの火曜日をゆっくり乗るようにして、備えました」と説明。前走は初の海外遠征。クイーンエリザベス2世Cは6着に敗れたが、指揮官に悲観の色はない。「香港への遠征を経験して精神的にたくましくなりましたね。暖かくなって、冬毛も抜けてきました」と良化を口にした。

 3冠牝馬の母ジェンティルドンナは13年に1番人気を背負って3着。翌年も参戦して9着に終わった。9年を経ての雪辱は武豊に託された。今回が初コンビ、1週前追い切りで感触を確かめた。トレーナーは「“引っかかることはないし、さすがG1馬”と言ってもらえました。距離延長はいいですし、2200メートルの舞台ならと思っています」と締めくくった。過去6勝は全て非根幹距離(400メートルで割れない)で、芝2200メートルは重賞2勝。躍るぞ最高の晴れ舞台。夏のグランプリ4勝の名手が巧みにエスコート、麗しき良血が主演を演じる。

 《斉藤崇師“いい枠”》ジェラルディーナは6枠11番に決定した。斉藤崇師は「あまりスタートが速くないし内枠で包まれるぐらいなら、この枠ぐらいがいいと思う」と歓迎ムード。武豊との新コンビに「トップジョッキーなので心配していない」と全幅の信頼を置く。阪神芝2200メートルは昨年エリザベス女王杯でV。絶好の舞台で反撃だ。

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