【神戸新聞杯】ハーツコンチェルト 菊へ視界良好!高い完成度を保つダービー3着馬
2023年9月22日 05:17 4年ぶりに阪神で施行される菊花賞トライアル「第71回神戸新聞杯」は、栗東滞在の関東馬ハーツコンチェルトが松山を背にCWコース単走で追い切って好仕上がりを印象づけた。
もう攻める必要がなかった。栗東滞在の関東馬ハーツコンチェルトは松山を背にCWコースへ。単走で出だしはゆったり入り、3コーナーを過ぎて徐々にペースを上げていく。直線は馬場の外めを通って馬なりでギアチェンジ。最後はダイナミックなストライドでゴールを駆け抜けた。
6F86秒2~1F12秒1の時計が示す通り、前半セーブした形。3頭併せで負荷をかけた13日の1週前追い(6F82秒6~1F11秒2)に続き、感触を確かめた松山は「今朝はしまい重点。前向きさがあって反応も良かったです」と第一声。春との違いを問われると「元々、完成度が高いので夏を越しても、いい意味で馬体や精神面に変化はない」と現状維持でOKとした上で「ただ、気が強くて力むところがあるからリズム良く、折り合って運べば」とポイントを挙げた。
青葉賞2着をステップに参戦した前走・ダービーは出脚がつかず道中16番手を追走。終始、外を回りながら直線は先に抜け出したタスティエーラ、皐月賞馬ソールオリエンスの外から懸命に脚を伸ばし、首+鼻差の3着に追い上げた。接戦でG1獲りはならなかったがポテンシャルの高さを証明。夏場は福島県のノーザンファーム天栄で激戦の疲れを癒やし、美浦を経由して7日に栗東へ。陣営は当週の長距離輸送を避けるプランを選択した。武井師は「美浦の坂路閉鎖や菊花賞(10月22日、京都)を見据えて栗東滞在を選択。環境にはすぐに慣れました。春と比べて体重はそう変わらないがカイバをしっかり食べて体を大きく見せています」と目を細めた。
昨年9月に中京の新馬戦を8馬身差で快勝し、クラシック候補誕生と騒がれた。春は若葉S4着で皐月賞切符を逃し、ダービーはタイム差なしの惜敗。この秋こそ――。「いい形で本番に向かいたい」と武井師。ラスト1冠に弾みをつける構えだ。
《ハーツクライ産駒は国内外でいい流れ》先週、英クラシック3冠最終戦セントレジャーで日本生まれのコンティニュアスが快勝し、世界的にも注目された父ハーツクライの血。ハーツクライは20年の種付けを最後に種牡馬引退、今年3月9日にこの世を去った。産駒の最終世代となる現2歳は頭数こそ少ないが【3・2・1・5】とコンスタントに馬券に絡んでいる。今開催、阪神開幕週の能勢特別(2勝クラス、芝2000メートル)はハーツコンチェルトの全姉アレグロモデラートが5番人気V。国内でもハーツクライ産駒にいい流れが来ている。