【有馬記念】タスティエーラ 集中力抜群で機敏鋭伸!ダービー馬の威信を懸けて異例の“大攻勢”

2023年12月21日 05:26

併せで追い切るタスティエーラ(左)(撮影・村上大輔)

 調教の動きから勝ち馬に迫る「厳選超抜リスト」はダービー馬タスティエーラをクローズアップ。

 ダービー馬の威信を懸けた勝負のグランプリ。タスティエーラは“攻め”に出た。Wコースで半馬身前を進むチザルピーノ(2歳新馬)の息を間近で感じつつ、気迫をこめて突き進んだ。内に入ったゴール前で手綱をしごく。ギアを上げて応える。6F82秒3~1F11秒3。グイッと1馬身先着。7日にWコースでラスト1F11秒3。14日は同11秒1と負荷は十分かけてきた。それでも攻めた。堀厩舎といえば、当週は木曜に4Fからサラッと流すことも多い。意欲的な最終リハには、明確な意図があった。

 堀師は「当初は木曜にライアン(ムーア)で追い切る青写真だったが、馬の調整を優先して水曜に追い切りました」と説明。「先週(14日)しっかり追い切った後の回復が早く、17日に坂路(4F55秒3)で追いましたが、もう一段良くなりそうだったので当該週としては少し強めにやった。道中の折り合い、反応ともに良かった。強めに追ったことで息もちょうど良くなると思う」と納得だ。

 攻められたのは心身の成長のおかげ。20日の追い切り後の計量では488キロ(前走・菊花賞は480キロ)とボリュームアップ。師は「菊花賞の前よりカイバ食いが良くなった。前走よりプラス体重の出走になるが、調教の質と量は十分」と手応え。「春より人の指示に反応できるようになって、操縦性が重要という点でもいいメンタルで臨めそう」と続けた。あとは新馬戦以来となるムーアの手綱に全てを託すのみだ。

 《これまで21頭》3歳で有馬記念を制した馬は21頭。皐月賞馬は84年シンボリルドルフ、94年ナリタブライアン、11年オルフェーヴルの3冠馬3頭を含む7頭がV。一方、ダービー馬は前述の3冠馬3頭以外で優勝したのは86年ダイナガリバーのみ。3歳での参戦に限れば皐月賞馬優勢の傾向で、今年はソールオリエンスが有利!?

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2023年12月21日のニュース