23年度JRA賞年度代表馬はイクイノックス!史上5頭目の連覇、史上初父子2年連続受賞

2024年1月10日 05:30

イクイノックス

 2023年度JRA賞受賞馬選考委員会が9日、各賞を発表した。年度代表馬はドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンCのG1・4勝を挙げたイクイノックス。父キタサンブラックの16、17年以来となる2年連続で、父子での2年連続受賞は史上初。投票総数295票中293票で得票率は前年度(97.9%)を上回る99.3%。最優秀4歳以上牡馬とのダブル受賞となった。今年から新設された最優秀スプリンターはママコチャ、最優秀マイラーはソングライン。また、ドバイワールドCを制したウシュバテソーロが特別賞。全部門満票なしは07年以来17年ぶり。

 G1・4戦4勝、レーティング世界1位。天皇賞・秋、有馬記念を制した昨年以上の圧倒的な成績を収め、イクイノックスが今年も年度代表馬に輝いた。2年連続の受賞は、シンボリクリスエス(02、03年)、ディープインパクト(05、06年)、ウオッカ(08、09年)と父キタサンブラック(16、17年)に続く5頭目。父子で2年続けての受賞は史上初の快挙となった。

 一報を受けた木村師は「イクイノックスが年度代表馬に選ばれましたこと、大変光栄に思っております」と歓喜。続けて「23年は初海外、関西圏で勝ち切り、秋2戦は世界中のファンの皆さまに納得していただける、世界一のパフォーマンスをしてくれたと思います」と愛馬に感謝した。

 木村師の言葉通り、昨秋の2戦は名馬にふさわしい走り。天皇賞・秋を1分55秒2という驚異的なJRAレコードで史上3頭目の連覇を果たすと、ラストランとなったジャパンCでは3冠牝馬リバティアイランド(2着)に4馬身差をつける楽勝。デビューからの全10戦で手綱を握ったルメールは「ハイレベルで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、パーフェクトな成績を残してくれました。私にとっては忘れられない馬です」と相棒を称えた。

 今年から社台スタリオンステーションで種牡馬入り。種付け料は初年度としては史上最高額となる2000万円。ディープインパクト、コントレイルの1200万円をはるかにしのぐ額で、期待がうかがえる。木村師も「種牡馬としてファンの期待を背負うことになろうかと思いますが、彼ならその期待に応えてくれると思います」と心をときめかせる。競馬ファンの度肝を抜いた世界最強馬。父としてもたくさんの歴史をつくってくれるに違いない。

 ◆イクイノックス 父キタサンブラック 母シャトーブランシュ(母の父キングヘイロー)牡5歳 シルクレーシング 美浦・木村 ルメール ノーザンファーム 4戦4勝(うち海外1戦1勝) 14億884万4100円(ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンC)

 ▼米本昌史シルクレーシング代表 誠にありがとうございます。特に猛暑を乗り越えさらなる成長を遂げた秋の2戦、天皇賞・秋とラストランとなったジャパンCでのこの馬の完成形とも言える走りは、とても印象的なものでした。お世話になりました皆さま、ご声援をいただきましたファンの皆さまにこの場を借りてお礼申し上げます。早ければ27年にデビューしてくれるイクイノックスの子どもたちには、本馬が成し遂げられなかったクラシック制覇を期待したいと思います。

 ▽JRA賞 1987年からJRA主催で、各部門と年度代表馬を全国の競馬記者クラブ11団体に所属する記者(クラブ歴3年以上、会友含む)295人の投票で決定。地方馬、外国馬も選考対象で、3分の1以上の票を得た1位馬が受賞馬。54年スタート当時の主催は啓衆社(専門紙ケイシュウニュースの前身)、72~86年は月刊誌「優駿」選定。

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