【桜花賞】池江泰郎氏 2頭双璧!!勝負のアヤは4角の攻防

2024年4月8日 05:28

<阪神11R・桜花賞>4コーナーを回るステレンボッシュ(左から3頭目、緑帽子)(撮影・中辻 颯太)

 【池江泰郎 匠の解説】2歳G1阪神JFの1、2着馬が桜花賞で着順を入れ替え、ステレンボッシュがアスコリピチェーノに雪辱を果たした。

 勝負のアヤはある。最終4コーナーのわずかな接触はパトロールビデオでも確認できる。中団待機の2頭がさあ、追い比べ!と動く態勢に入ったシーンでステレンボッシュの進路取りに伴い、馬群の外めを追走していたアスコリピチェーノはあおりを受けてさらに外へ膨れ気味となっている。この接触が結果にどれほど影響しただろうか。接触がなければアスコリピチェーノが勝てたか?と推察するとそこまでは疑問だが、もっと際どい着差になっていたのは間違いない。

 とはいえ、そういった攻防も含めてG1の厳しい競馬だ。ステレンボッシュは世代の頂点に立つにふさわしい実力を備えていた。素晴らしい名牝を過去にも育ててきた国枝厩舎からまた牝馬クラシックを手にする馬が誕生することに感嘆するばかり。阪神の外回りはコーナーが緩やかで直線は長いから、ジョッキーの意図した運びができる。ましてや、折り合い面に不安ないから中団待機も必然だっただろう。次なるオークスも2頭双璧、の構図だ。

 中団待機の2頭が1、2着を占めたのに対し、後方に陣取った3着ライトバック、4着スウィープフィートも末脚に威力があった。この世代、2歳G1と桜花賞で関東馬が幅を利かせているが、3着と4着の関西馬はオークスで楽しみを抱かせる走りだった。(スポニチ本紙評論家)

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