園田競馬場で「串勝や」を営む元芸人・山内祥聖氏 園田愛はとどまるところを知らない
2024年6月24日 16:19 山内祥聖(よしまさ)氏(50)は園田競馬場内で「串勝や」を営んでいる。競馬場のスタンド奥、ゴール向こうの1コーナー寄りにある食堂街で2012年、その金ナイターのスタートとともにオープン。常連さんでにぎわう人気店だ。
山内さんは1997年から2011年まで「四次元ナイフ」というコンビ名で吉本興業に所属、活動していた元芸人だが、その枠組以上に、“園田競馬ガチ勢”として紹介したい。
「馬券的には大柿騎手、田野騎手です。お世話になっています」
兵庫のエース吉村智洋でもなく、1番人気の勝率5割を超える下原理でもなく、兵庫リーディング10位前後の大柿一真、田野豊三の名が挙がるだけでも、熱心なファンぶりが伝わる。ちなみに吉村について「もちろん大騎手、リスペクトしています」と前置きして「吉村さんで売れるでしょ?吉村さんが乗っている馬が強いのか、それとも実力以上に吉村人気で売れているのか。園田の馬券はこの見極めが大事」と力説する。さらに、ひいきの馬を尋ねたらこれがまた凄い。
「園田競馬に詳しくないと分からないと思いますが、グランプリシップという馬。中央競馬でいうと条件級の馬ですが、後ろから行ってグーンと追い込んでくる。あの追い込みがいいんですよ。最近は届いていませんが…」
同馬は現在C3クラスで走るクロフネ産駒の10歳馬。121戦17勝(6月24日現在)。近走の主戦は田野。熱心な園田競馬ファンなら「あー、あの芦毛」となるかもしれない。
決して有名とは言えない追い込み馬をひいきに挙げる山内氏もまた、なかなかの追い込み人生だ。
「11年の10月に芸人をやめて、就職しました。梅田のデパートにある飲食店です。ただ園田競馬が大好きなので、かかわれたらいいな、とは思っていたんですよ」
そんな時、芸人時代に知己を得ていた馬主の馬場祥晃(よしあき)氏から「園田競馬の中で店をやってみないか」と声がかかる。
「どうなるかなんて分かりません。飲食店に勤めてはいたものの、経営となるとしろうともいいところ。それでも、園田でやれるなら、と」
果敢に飲食店経営の世界に飛び込んだ。当初は楽ではなかったが、徐々に軌道に乗る。
「串カツももちろんですが、園田ではカレーが人気です。税込み550円」とお得を強調してニヤリ。
現在は園田競馬場の他に、大阪心斎橋で「串勝や やまちゃん」も営む堂々の飲食店経営者。「そんなにもうかりませんよ」と言いつつ「園田の馬券はアホみたいに買うてます。生きがいですよ」。
取材中も園田競馬のライブ中継をチラチラと見ながら。「仕込みはきちんとしてますが、実況は欠かせません」。
園田競馬とともに歩む「串勝や」。山内さんの追い込み人生も、仕掛けて行き脚がつき、いま上昇中だ。
◇山内 祥聖(やまうち・よしまさ)1974年(昭49)4月6日、兵庫県芦屋市出身の50歳。麗澤瑞浪高卒。NSC18期。山本大介(現ずばり!タコ介)とコンビを組んで四次元ナイフを結成。クイズ!紳助くん(朝日放送)なにわ突撃隊として出演など。11年解散、引退。12年園田競馬場内に「串勝や」オープン。