【神戸新聞杯】メイショウタバル快逃V!重賞2勝目で菊花賞へ弾み 石橋師「馬に感謝」
2024年9月23日 05:25 リベンジの秋だ!菊花賞トライアル「第72回神戸新聞杯」が22日、中京競馬場で行われた。2番人気メイショウタバルが逃げ切り、重賞2勝目を飾った。ジューンテイク、ショウナンラプンタと上位3頭に菊花賞(10月20日、京都)の優先出走権が与えられた。また、中山の「第70回オールカマー」は1番人気レーベンスティールが重賞連勝を決め、天皇賞・秋の優先出走権を手にした。鞍上のクリストフ・ルメール(45)は中山で3週連続JRA重賞V。管理する田中博康師(38)は昨年のローシャムパークに続く連覇を飾った。
春の無念を振り払う逃走劇だった。ダービーを左後挫石で出走取消となったメイショウタバルがひと夏を越して成長した走りを見せた。重賞2勝目。検量室前に戻ってきた浜中は石橋師に迎えられて笑みがこぼれた。「精神的な部分がフレッシュになって、少しずつでしょうけど、大人になってきているのかなと思います」と喜びをかみしめた。
大外枠からのスタート。徐々に加速してハナヘ。促すことはなく、あくまでリズム重視。「ハナにこだわっていたわけではなく、馬の気分に任せました。1コーナーまでうまく入れました」。馬なりで主導権を握った。向正面に入ってからも折り合いを最優先。「スピードを上げ過ぎず緩め過ぎず、コンタクトを大事にして」。巧みにラップを刻んだ。直線に向いても手応え十分。後ろからジューンテイクが追い上げてくる。そこからもうひと踏ん張り。半馬身リードを守ってゴールに飛び込んだ。
石橋師は「外枠でフワッと行けたのが良かったのかな。皐月賞みたいにムキにはなっていなかったしね。よく踏ん張ってくれた。馬に感謝だね」と目を細めた。春は度重なるアクシデントに見舞われながら、実績を積み上げた。若駒Sを右前肢ハ行で競走除外となった翌月につばき賞を快勝。その後はスプリングSを予定していたが、フレグモーネで自重。翌週の毎日杯にスライドして、6馬身差で圧勝した。順調さを欠く中でも折り合い面に向き合い、課題克服に取り組んできた。ダービー取り消し後は夏休み。馬自身がゆとりを持てるようになった。
今後は菊花賞に向かう予定。さらに4F延長、未知の領域に入っていく。指揮官は「春先の調教より今回の方がうまく折り合っていた。リラックスして走ることが大事になってくる」と手応えをつかみつつある。再び軌道に乗ったメイショウタバルがラスト1冠でリベンジを完遂させる。
◆メイショウタバル 父ゴールドシップ 母メイショウツバクロ(母の父フレンチデピュティ)21年4月20日生まれ 牡3歳 栗東・石橋厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町の三嶋牧場 戦績7戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億1448万1000円 馬名の由来は冠名+熊本県の地名。