【オールカマー】ルメールが最内こじ開けた!鬼脚レーベンスティール重賞連勝 秋天切符を獲得

2024年9月23日 05:19

<中山11R・オールカマー>重賞3勝目を飾ったレーベンスティール(撮影・村上 大輔)

 中山の「第70回オールカマー」は1番人気レーベンスティールが重賞連勝を決め、天皇賞・秋の優先出走権を手にした。鞍上のクリストフ・ルメール(45)は中山で3週連続JRA重賞V。管理する田中博康師(38)は昨年のローシャムパークに続く連覇を飾った。

 白い流星がインの狭いスペースをさっそうと駆け抜けた。展開不向きの激闘で重賞2連勝を決めたレーベンスティール。その額には祖父トウカイテイオーから受け継いだ流星が輝いていた。ルメールは「手応えがずっと良かった。またパワーアップしていたね。次はG1レベルで応援してください」と笑顔がはじけた。

 10番人気で2着に逃げ粘ったアウスヴァールが演出したスローペース。「休み明けで2200メートルだったので少し引っかかった」とはルメール。それでも何とか我慢しながら直線を向く。凝縮した馬群の中では外への進路が見つからない。しかし、背中にいるのはオールカマー2戦無敗の名手。瞬時にインを選択すると、1頭分のスペースをこじ開けた。ルメールは「(馬場状態の良い)内の馬がよく走っているので、あのルートを選んだ。最後は凄くいい脚を使ってくれました」と納得の表情だった。

 母の父は復活の93年有馬記念、大人気アニメのウマ娘と、新旧ファンから絶大な人気を集めるトウカイテイオー。この日もウイナーズサークル前にはG2とは思えない人だかりができた。田中博師は「血を引き継いでいる部分はあると思う。(テイオーの)現役時代は知りませんが、似ている部分があるのかな」と目を細める。陣営は「完成はまだ先」と強調するが、少しずつ偉大な祖父に近づいてきた。

 次走について明言はなかったが、指揮官は「東京1800、2000メートルが最もパフォーマンスを出せる舞台だとは思う」と説明。国内路線となれば、祖父が“秋古馬3冠”で唯一手にできなかった天皇賞・秋(10月27日、東京)が選択肢となるか。G1初制覇が視界に入った4歳秋。血脈に眠る“テイオーのDNA”は、大舞台でこそ真価を発揮する。

 ◆レーベンスティール 父リアルスティール 母トウカイライフ(母の父トウカイテイオー)20年3月8日生まれ 牡4歳 美浦・田中博厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道日高町の広富牧場 戦績10戦5勝(うち中央9戦5勝、重賞3勝目) 総獲得賞金1億9574万6000円 馬名の由来は生きざま(独)。

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