【菊花賞】コスモキュランダ 余力十分 弾んだラスト1F11秒7 “あえて控えた”1週前追い効いた

2024年10月17日 05:26

伸びのあるフットワークで駆け抜けたコスモキュランダ(右)

 余力たっぷりの最終リハだった。コスモキュランダは角馬場で体をほぐしてからWコースへ。伸び伸びとしたフットワークでザクシス(2歳1勝クラス)を2馬身追走。4角で一気に加速する。直線入り口で内から半馬身前に出ると、強めに追われた僚馬を最後まで抜かせなかった。馬なりできっちり1馬身先着。6F83秒7~1F11秒7。「終始リラックスして走れて時計も良かった。状態はかなりいいです」と加藤士師=写真=も納得の表情だった。

 手が届きそうで届かないクラシックのタイトル。皐月賞2着、ダービーは6着に終わった。ラスト1冠奪取へ、今回は調整過程を微調整して挑む。「ダービーの時に“少し硬いかな”とミルコ(デムーロ)も言っていたので。そういう意味で1週前をびっしりやらず、あれくらい(軽め)に」と師。皐月賞、ダービーの1週前追いは、いずれもしっかり追われてラスト1F11秒台。しかし、今回は一転して馬なりで5F68秒0~1F12秒1。あえて手控えた。その効果はてき面だった。「うまくいった感じがします。凄く弾んでるから」と目を細めた。

 京都3000メートルはコスモキュランダの強みが存分に生かせる舞台。指揮官は「のんびりしているので引っかかることもないし、やはり乗りやすいのは距離が持つという点でアドバンテージ」と力強い。M・デムーロと挑んだ弥生賞ディープインパクト記念は向正面で捲って押し切りV。モレイラと臨んだ皐月賞は中団待機で直線強襲。「乗りやすくてジョッキーの特性が出やすい。それが馬とマッチしてくれれば」と鞍上の手綱さばきにも期待した。

 ここまで重ねたキャリアはメンバー最多の10戦。新馬戦こそ最下位に甘んじたが、経験を重ねるごとに強くなった。「元々、ポテンシャルはあると思っていた。少しずつ競馬を覚えてくれて、結果につながってきたのはうれしい」。前走セントライト記念2着からの逆襲へ。数々の歴史が刻まれた淀のターフで“下克上”を果たす時が来た。

 ≪44年ぶり 新馬戦最下位→菊Vに挑む≫コスモキュランダは昨年6月、12頭立ての新馬戦(東京芝1600メートル)で12着。デビュー戦最下位だった馬の菊花賞Vはこれまで47年ブラウニー(2頭立て2着)、80年ノースガスト(7頭立て7着)と2度。コスモキュランダが44年ぶりの記録に挑む。
 

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