【フェブラリーS】キング 女性騎手初JRA平地G1制覇!コスタノヴァを導いた
2025年2月24日 04:30 25年JRA・G1開幕戦「第42回フェブラリーS」が23日、東京競馬場で行われ、レイチェル・キング(34)騎乗の2番人気コスタノヴァがG1初挑戦Vを飾った。短期免許で来日中のキングは女性騎手初のJRA平地G1勝利を達成。管理する木村哲也調教師(52)は22日のダイヤモンドS(ヘデントール)に続く土日東京重賞ジャックを果たし、フェブラリーSは初勝利となった。
フォーエバーヤングが世界の頂点に立った日、“世界”のキングが日本競馬界の歴史に新たな1ページを刻んだ。女性騎手として初めてJRA・G1を制し「女性騎手ではなくて騎手として自分で獲ることができて非常にうれしいです」と会心の笑顔。ウイナーズサークルではファンの前で夫のルーク・ヒルトン氏と熱い口づけを交わした。02年中山大障害(ギルデッドエージ)でニュージーランドの女性ジョッキー、ロシェル・ロケット騎手がJ・G1勝利を飾ったが、JRA・G1は女性騎手7人が延べ13回挑戦し、ホリー・ドイルの23年ホープフルS(アドミラルシップ)4着が最高着順だった。
スタートはそこまで早くなかったが「2、3完歩目ですぐスピードに乗ることができました」。出遅れ癖のある馬を見事にエスコートし、道中は4、5番手で先行勢を眺めながら追走。直線に向くとスーッと加速し、残り200メートル手前で先頭に立つと後続を振り切った。コスタノヴァは5戦5勝で臨んだ東京で、G1初挑戦Vのミッションをコンプリート。木村師は「将来的には種馬になれるように導いてあげたいし、G1を勝ったので責任のある馬になると思います。ファンの皆さまに楽しんでいただけるような走りをさせていかないといけないと再認識しました」と語った。殊勲の鞍上も「いつものレースより先頭に立ってから長い感じはしました。でも、自信を持って1600メートル持つイメージで乗ることができました」と胸を張った。
2日前の21日にはサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた国際招待競走「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」に出場し、総合2位の成績を収めた。そこから東京騎乗のため日本へとんぼ返り。現地22日未明にサウジアラビアを離れ、ドバイ経由で羽田空港に到着したのは日本時間22日午後10時30分だった。この日、東京でフェブラリーSを含む10鞍に騎乗したが「飛行機で寝るのが得意なんです」と疲れた様子は一切なし。現地ではルメールから騎乗のアドバイスを受けたと明かし、木村師は「ルメールが乗っているみたいな立ち回りでした」と称えた。
昨年、重賞2勝を挙げて“キング旋風”を巻き起こしたが、来日2年目はそれ以上のインパクトを残している。「男性と女性が同じ舞台でイーブンで戦えているのは素晴らしいことだと思うし、ジョッキーとしていつも一生懸命乗っています」。国内騎乗はあと1週を残すのみ。「最後までしっかり乗って結果を出せるように感張ります!!」。キング姉さんはパワフルに走り続ける。
◆コスタノヴァ 父ロードカナロア 母カラフルブラッサム(母の父ハーツクライ)20年4月3日生まれ 牡5歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・吉田勝己氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦7勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億4089万1000円 馬名の由来はポルトガル北部のリゾート地。
《競走馬に感動》女優の波瑠(33)がフェブラリーSの表彰式プレゼンターを務めた。大役を全うし「ご来場の皆さまの歓声を受けて走る競走馬たちの姿に感動致しました。今もまだその景色が目に焼き付いています」とコメント。続けて「とても学びがある、楽しい1日を過ごさせていただくことができました。またぜひ、プライベートでも遊びに来る機会があれば楽しみたいと思います」と再来場を心待ちにした。
《ノーザンF“同日”G1制覇!》コスタノヴァを生産したノーザンファームは、サウジCのフォーエバーヤングに続く“同日”G1制覇となった。2歳にエピファネイア産駒の半妹、1歳にレイデオロ産駒の半弟がいるフォーエバーヤング。母フォエヴァーダーリングが15日に父リアルスティールの子を受胎しており、来年には同じ血統のきょうだいが生まれる予定だ。ノーザンファームの中島文彦ゼネラルマネジャーも「楽しみですね。これだけの良血なので」と待ちわびていた。