大興奮サウジC制覇もフォーエバーヤングJRAで見られない…

2025年2月28日 05:05

<サウジC>ロマンチックウォリアー(奧)との追い比べを制したフォーエバーヤング(撮影・坂田 高浩)

 【競馬人生劇場・平松さとし】
 ご存じの通り先週末、中東サウジアラビアで行われたG1サウジCをフォーエバーヤングが勝利した。

 栗東・矢作芳人厩舎のこの4歳牡馬は昨年、ケンタッキーダービーとBCクラシックの米G1で共に3着と好走。その2度の敗戦以外は、国内外で7戦7勝という完璧な成績でサウジCに駒を進めていた。

 その上で優勝したのだから、いやがおうにも次走に予定しているG1ドバイWCでの期待は膨らむ。昨年はG3サウジダービーとG2UAEダービーを制したが、今年はそれぞれ同じ舞台で史上初のダブルカップ制覇の瞬間が訪れるかもしれない。

 ちなみに秋にはBCクラシックに再挑戦するという話もあるが、ここでふと思ったのは、日本のファンが日本史上最強のこのダート馬を生で見る機会が少ないということ。ここまで全10戦中、国内で走ったのは半分の5戦。JRAのレースに限ると23年10月、京都競馬場での新馬戦が最初で最後になっている。日本のダート馬が力をつけ、限りなく世界との壁がなくなってきた現在、第2、第3のフォーエバーヤングが出てくる可能性は十分にある。

 こうなった大きな要因はJRAのビッグレースと海外のそれがかぶってしまったこと。フェブラリーSはサウジCウイークだし、12月初旬のチャンピオンズCに使おうと思えば、約1カ月前のBCや年末の東京大賞典(大井)との兼ね合いがネックになる。

 開催時期や競馬場をコロコロと変えるのは決して得策ではなく、特にチャンピオンズCは前身のジャパンCダートから幾度も条件の変化を繰り返してきたので落ち着いてほしいところ。とはいえ本当に強い馬がJRAで見られないのも残念。菊花賞から中1週でジャパンCに参戦したシンボリルドルフが両レースの間隔を広げるきっかけになったように、日程にも問題提起をするのが本当の名馬だとすると、フォーエバーヤングはすでにその域に達しているのかもしれない。(フリーライター)

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