穴党にはもってこい!“鮫島駿式”函館攻略法 直線は全場で最短「超小回りコース」
2025年6月18日 05:30 春のGP「宝塚記念」が終わって、いよいよ本格的なサマーシーズンに突入する。夏競馬の水曜新企画は「夏リポ」。記者が夏に関するテーマを考え、関係者に質問をぶつけて深掘りする。初回は東京本社の鈴木悠貴(34)が担当。ファンにとっては難攻不落な函館競馬の攻略法を、22~24年の近3年で2位となる32勝を挙げる函館巧者・鮫島克駿(28)に聞いた。
函館を制するものは夏競馬を制す?昨年2度の200万馬券が生まれた函館。開幕週だった先週も5レースで10万超え馬券が出ており、今年もビッグ配当が続出する予感大。この難度の高い競馬場を“理論派”鮫島駿に解説してもらった。
(1)立ち回りのうまさ 直線は全場の中で最も短い約260メートル。コースは長方形で、正方形の札幌よりコーナーがきつい。「札幌を小回りコースとするならば、函館は超小回りコース。立ち回りのうまさが求められます」。例に出したのは22年の函館スプリントS。鮫島駿が騎乗した13番人気タイセイアベニールは、後方待機から直線最内を突き3着に激走した。「開幕週だし、普通なら厳しいとされる位置だけど、器用に回れたから勝負になった」。操縦性を重要視したい。
(2)滞在効果 函館は滞在競馬が可能な数少ない競馬場。輸送の必要がなく大きな環境の変化もないため、繊細な牝馬にメリットがあると話す。「牝馬は調整が難しいから滞在は合うと思う。特に気性が幼い3歳牝馬はいいはず。重量の恩恵もあるので」。実際に昨年は牡馬・セン馬より牝馬の方が勝率が高かった。加えて、「一変の可能性あり」と話すのは、調教で時計が出ていながら結果が出ていなかった馬。「そういう馬は何らかの気性難を抱えていることが多い。滞在でそういう面がなくなれば激走してもおかしくない」と分析した。
(3)展開・馬場の見極め 小回りだからといって前有利を決めつけるのは厳禁。「若手が多いので激流になることも多い。そういう場合はロスなく、リズム良く運べる差し馬にチャンスがある。展開を見極めることが大事です」。また、天候も大きな要因になると言う。「開催前半はもちろん高速決着が多いが、ひとたび雨が降るとすぐに馬場が傷んで差しが決まる。函館は馬場の影響が大きいと思うので、注意して見ておく必要があります」と語った。
「さまざまなファクターがあって穴党にとっては“もってこい”の競馬場だと思います」と鮫島駿。3つの攻略ポイントを参考に、万馬券をズバズバ的中させよう!
◇鮫島 克駿(さめしま・かつま)1996年(平8)10月18日生まれ、佐賀県出身の28歳。15年、栗東・浅見厩舎所属で騎手デビュー。同年3月14日の中京2R(タピエス)で初勝利を挙げた。昨年99勝を挙げ、全国リーディング7位。JRA通算7329戦562勝。