落馬負傷から復帰ルーキー上里「二度と同じことが起きないように」

2025年8月27日 05:05

落馬負傷から実戦復帰を果たした上里直汰

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週担当するのは東京本社・面来陽介(34)。落馬負傷から実戦復帰を果たしたルーキー上里直汰(18)を取り上げる。

 夏の新潟競馬場。6月22日の函館7Rで落馬負傷し、休養中だったルーキー上里が2カ月ぶりにレースに復帰。17日の新潟2R(クラウンアールシー)で2着に好走した。まず上里は、函館の同レースで落馬負傷し戦線離脱中の長浜に対して「迷惑をかけてしまった」と反省の弁を口にするとともに「まずは安全第一に。しっかり周りをよく見て勝ち急がずに乗るように心がけました。丁寧に騎乗することができたのが一番良かったです」とレースを振り返った。

 戦線離脱中の2カ月間は自らを見つめ直すきっかけになった。鎖骨と肋骨の骨折と肺挫傷の大ケガ。落馬直後、約2週間は函館の病院で入院。退院後は体の経過を見ながらリハビリを開始した。「メンタル的にも不安になりましたが、二度と同じことが起きないように」と心に決めた。復帰に向けて落馬を恐れない気持ちと、すぐにパフォーマンスを発揮できる体づくりに励んだ。

 そして復帰初週から見せた強気の競馬。「引き腰になってはいけない」と意気込んだ一戦は、向正面半ばで先頭へ。直線は目標にされた勝ち馬にかわされたがレース展開を読み、馬の特長を最大限に生かした。「復帰戦は怖くなり後ろに下がっちゃいがちになると聞いていました。そこはしっかり意識して、以前と同じ積極的な騎乗をするようにした」と上里。ルーキーらしい騎乗と思い切りのいい勝負勘が光った。

 競馬学校41期生の中で唯一、乗馬体験もなく騎手の門を叩いた18歳。「何度か心が折れそうにはなったがここまで頑張ってこられた」。2月に競馬学校を卒業した上里の競馬人生は始まったばかり。「信頼を置かれるジョッキーになれるように。もっと技術を磨いていかないといけない」。落馬負傷を乗り越えたルーキーはさらなる飛躍を誓った。

 ◇上里 直汰(うえざと・なおた)2007年(平19)3月1日生まれ、沖縄県出身の18歳。美浦・加藤士厩舎所属。今年3月1日デビュー、4月5日中山7Rスペイドアンで初勝利。JRA通算116戦5勝。JRA初の沖縄出身騎手。

 ◇面来 陽介(おもらい・ようすけ)1990年(平2)9月7日生まれ、埼玉県出身の34歳。元消防士。1年間の見習い期間を経て23年4月にコラムデビュー。

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