【紫苑S】中舘師 恩人から受け継いだ2頭で参戦 田村師にささげる秋華賞切符を「思いが伝われば…」

2026年9月2日 05:30

夏の新潟競馬調教師リーディングを獲得した中舘師

 今週から秋の中山が開幕する。日曜メインは秋華賞トライアル「第11回紫苑S」。夏の新潟競馬調教師リーディングを獲得し、勢いに乗る中舘師が2頭を送り出す。ジワタネホとナイスプレーアスクは、6月29日に病気のため亡くなった田村康仁調教師(享年63)の元管理馬。“恩人”と慕った田村師にささげる重賞Vとなるか。

 亡き田村師への特別な思いを胸にレースに臨む。中舘師が紫苑Sに送り出すジワタネホとナイスプレーアスクは、どちらも田村師の元管理馬。同師の死去に伴い、6月30日付で中舘厩舎に転厩となった。2頭とも転厩後に勝利を挙げ、今回が重賞初挑戦。中舘師は「随分お世話になった恩を少しは返せたような気がするけど、まだまだこんなもんじゃ足りない。重賞も勝って、最後の思いを届けられれば」と誓った。

 個性派2頭で波乱を巻き起こすか。ジワタネホは前走の新潟未勝利戦で鮮やかな捲り勝ち。後方2、3番手から向正面で一気に先頭に立ち、2馬身半差で押し切った。高木助手は「極端なレースになったけど、非常に強い内容だった。レースを使いながら成長している」と振り返る。母ビッシュは16年の当レース覇者で、馬主も同じ窪田芳郎氏。「オーナーが“ぜひ行きたい”と言ったので、その意向に応える意味で使うことにした。現時点で同世代の馬たちとどれくらい差があるのか確かめたい」と同助手。史上初の母子制覇を狙う。

 一方、ナイスプレーアスクは前走の函館1勝クラスを逃げ切りV。「1勝クラスを勝ったらここを使おうと、オーナーと話をしていた」と中舘師。狙い通りの参戦となる。武器は中山向きの先行力、機動力で高木助手は「開幕週の中山の馬場を考えると、条件的にはいい。前めでロスなく運べれば、距離はギリギリ許容範囲内」。開幕週の馬場を生かして、好走をもくろむ。

 訃報の翌日、師は「仕事に対して厳しい方で、容赦なく叱責(しっせき)されたこともあったけど、先生から学んだことはたくさんあった。開業する時も助けてくれた。恩人でしかない」と言葉を紡いだ。その“恩人”が手がけた2頭で挑む重賞を前に「2頭は先生が残した遺産なので、思いが伝わればいい」と指揮官。魂のこもった走りで秋華賞切符をささげる。

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