【秋華賞】重圧に打ち勝ち無敗3冠 20年の松山&デアリングタクト

2026年10月16日 05:30

20年秋華賞、JRA史上初の無敗3冠牝馬を達成し、ポーズをとる松山弘平騎手とデアリングタクト

 【競馬人生劇場・平松さとし】日曜、京都競馬場で秋華賞(G1)が行われる。20年、コロナ禍での開催となったこのレースで、史上初となる無敗の牝馬3冠を目指したのが、デアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎)。鞍上はデビュー以来、コンビを組み続ける松山弘平騎手だった。

 「自分のせいで偉業を達成できなかったらどうしよう、と思うと、すごくプレッシャーを感じました」

 レース前は、ささいなことまで気になったという。

 「京都の内回りは紛れのあるコースなので、心配がないといえばウソになります。オークスは広い東京だったので挽回できましたが、ここで同じ競馬になったら厳しいと思っていました」

 パドックでは発汗が目立ち、イレ込むそぶりも見せていた。「牝馬ですから、当然不安になりました」。しかし、その不安を吹き飛ばしてくれたのは、他ならぬデアリングタクト自身だった。

 「返し馬の頃には徐々にリラックスしてきて、スタート直前のゲート裏では、すっかり落ち着きを取り戻していました」

 ゲートが開くと、序盤は後方に控えた。包まれることのない外めで運べたため、向正面では徐々に位置取りを押し上げていけた。

 「3~4コーナーでは、抜群の手応えでした」

 その時点で前を射程圏に捉え、直線へ向いた。

 「“さすが!!”という感じで、終始かなり楽な手応えでした」

 やや重の京都2000メートルを2分00秒6で駆け抜け、史上初の無敗牝馬3冠馬が誕生した。松山騎手はレース後の心境をこう振り返る。

 「圧倒的な1番人気(単勝1・4倍)の支持を受けていたのはもちろん分かっていました。史上初の無敗での牝馬3冠を自分のミスで台無しにするわけにはいかなかったので、ホッとしました。勝ってうれしいというより、安堵(あんど)の気持ちのほうが大きかったです」

 秋華賞の勝利は松山騎手にとってこの年の99勝目。大台に王手をかける勝ち星となると、続く最終レースも制して、あっさりと年間100勝を達成してみせたのだった。(フリーライター)

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