【根本康広 我が道21】「ナリタブラリアン」が強かった バラエティー番組&映画に出演 撮影では苦労も
2026年10月22日 07:00 テレビのバラエティー番組にもよく出演させていただきました。「さんまのナンでもダービー」(テレビ朝日系)は人気番組でした。ある回で乗馬経験のあった俳優さんが実際の競走馬に乗ってレースをすることになりました。それが本番の前に練習で乗ってみたらグーンと持っていかれて。「危ない!」って全員で何とか止めたんですけど、俳優さんは恐怖で真っ青になっていました。乗馬用の馬と競走馬では乗りやすさが全く違います。でも、収録はしなきゃいけない。仕方がないから僕たち騎手が代わる代わるでその馬を走らせ、疲れておとなしくさせました。当然、その馬は負けました。
特に人気だったのは私たちがポニーに乗ってレースをするコーナー。私が乗ったのはクレヨンシンザン。森安(輝正)くんはナリタブラリアン。加藤(和宏)ちゃんはホクトベカコ。サクラポニーオー、ミスターチービーだとか、よく考えますよね(笑い)。第1回、第2回…と何回も開催して、川崎のナイター競馬で走ったこともありました。特にナリタブラリアンが強かった。他のポニーでは歯が立たなかったです。
普段の仕事の合間に時間をつくって川崎などに行きました。テレビは収録、待ち時間も長くて体力的には大変。でも、他の騎手たちとわいわいやって楽しかったです。昔かたぎの師匠も私がこういう番組に出るのは賛成だったので、楽しんで見ていたのではないでしょうか。昔の競馬場には本当に男性しかいなかったのですが、こういう番組で興味を持った女性ファンが競馬場に足を運んでくれるきっかけになったと思います。
映画「優駿 ORACION」にも出演しました。1頭のサラブレッドを巡る牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手らさまざまな人々の生きざまを描く宮本輝氏の同名小説が原作です。メリーナイスが映画の主人公なのですが、それは最初から決まっていたわけではなく、87年のダービーを勝った馬が主役となる予定でした。映画の中で使用するダービー当日の映像は1番人気のマティリアルしか撮影していません。レース中もマティリアルばかり追いかけ、6馬身差で勝った私とメリーナイスの映像がないというのだから困りました。
子馬時代からのストーリーを撮影したいけど、メリーナイスはよりにもよって栗毛の四白流星。そんな馬が簡単に見つかるはずがなく、馬産地を巡ってわざわざ購入しました。栗毛で似てはいましたが、白いところが足りずに鼻面とか足の部分はメークされていました。だけどメリーナイスほど走れる馬なわけはないし、エビっ気(屈腱炎の前兆)もあった。撮影は大変なものでした。
◇根本 康広(ねもと・やすひろ)1956年(昭31)1月31日生まれ、東京都出身の70歳。77年3月に騎手デビュー。87年日本ダービー(メリーナイス)などG13勝を含め重賞14勝。障害戦でも活躍し、79年にはバローネターフで中山大障害を春秋連覇。JRA通算2633戦235勝。97年に騎手を引退し調教師に転身。98年に開業し通算6420戦218勝。藤田菜七子元騎手ら5人の弟子を育てる。
