スカーレット必勝パターンさく裂!!/大阪杯

2008年4月7日 06:00

阪神11R・大阪杯はエイシンデピュティ(左奥)の追い上げを振り切ってダイワスカーレット(左)が優勝

 豪華メンバーが集結した「第52回大阪杯」が6日、阪神競馬場で行われ、1番人気の最強牝馬ダイワスカーレットが逃げ切って年明け初戦を勝利で飾った。昨年の覇者で2番人気のメイショウサムソンは見せ場なく6着。天皇賞馬に暗雲が立ちこめた。

 最強牝馬が放つ輝きはほんの少しも色あせてはいなかった。昨年の有馬記念2着以来、3カ月半ぶりの実戦となったダイワスカーレットをファンは1番人気に支持。その期待に応え天皇賞を狙う強力牡馬たちをひれ伏せさせ、最高の形で今季初戦をクリアした。
 安藤勝はまず序盤の攻防を、こう振り返る。「メンバー的に行くことになるだろうなって思っていた。エイシンデピュティが行く気を見せなかったから自然とハナに立ったよ」
 勢い良くゲートを飛び出すとスッと前へ。鞍上としっかり呼吸を合わせ、前半1000メートルを59秒6で通過。ただ、決して楽な展開ではなかった。アサクサキングスが直後のポジションでピッタリと張り付き、終始プレッシャーを受ける形。最後の直線は地力勝負となった。「正直4コーナーでの反応はどうかなっていうところがあった。でも直線で左ステッキを1発入れたら、また反応したよ。もともと追ってしっかりしているし、並んでから抜かせない根性があるからね」
 ゴール前は食い下がるエイシンデピュティを退けた。この勝利には心身両面での成長が凝縮されている。馬体重は12キロ増えて498キロ。一段とボリュームアップした肉体に加え、内面の強さを安藤勝は口にした。「すべてにおいて大人になっている。精神的にも成長して、ゆったりと競馬ができるようになったね」
 陣営にとって前走後の3カ月半は長い冬となった。目の外傷でフェブラリーS、ドバイ遠征をパス。さらに今年は積雪で思うように調教を消化できない日も少なくなかった。「ここまで本当に苦しかった。担当厩務員も含め、精根尽き果てるような気持ちでした。今は厩舎のスタッフを褒めてあげたい」と松田国師の表情から喜びがにじみ出る。
 その苦難の時期を乗り越え、つかんだ勝利。明言は避けたが、ヴィクトリアマイル(5月18日、東京)を含めてG1のステージへ。「今後も牡馬とやっていくために初戦は2000メートルにこだわった。そうすればマイル路線や2200メートルにも生きてきますからね」と松田国師。その視線はさらなる高みを見据えていた。
 ▼ダイワスカーレット 父アグネスタキオン 母スカーレットブーケ(母の父ノーザンテースト)牝4歳 栗東・松田国厩舎所属 馬主・大城敬三氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績10戦7勝(重賞5勝) 総獲得賞金5億4943万7000円。

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2008年4月7日のニュース